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2009年5月30日 (土)

ホタルノヒカリ

体育大会は雨で中止、明後日の6月1日(月)に延期に。
誰の行いが悪かったのか……。
生徒たちは気の抜けた様子でしたね。
もっとも天気予報からも今日の中止はほとんど決まっていたようなものなので、すべて織り込み済みといったところでしょうか。

ということで、今日は土曜日の平常授業。
織り込み済みのはずなのに、小テストの準備をしていない生徒は焦り、クラス番号30番の生徒は英語の時間最初に当たってしまうと天に怒り、授業時間数が大きく変わって予定が狂うと教師も嘆く。
まぁ、延期になっても図書室に関してはたいして影響ないんだけど。

ただ、ここ数日の雨模様で一番心配なのは「ホタル」
学内のホタル観察会は6月1日の予定だったのだけれど、2日に延期。
理科の先生が言うには、こんなに雨が降ると、ホタルが出なくなっちゃうかも……。

実は図書室は、ホタルが飛び交う水路やひょうたん池が目の前という絶好のビューポイント。
で、司書教諭としては、「果たしてホタルの光で図書室で本を読むことができるか?」という実験を、今年はぜひやりたいものだ、と思っていた。
蛍の光窓の雪書読む月日重ねつつ、である。
蛍雪の功、である。

というようなちょいとロマンチックな(?)話を生徒に張り切ってすると、彼女たちは冷めた表情を見せる。
「そんなの読めるわけないじゃん」
「数十匹集めて本のすぐ前に置かなきゃ無理でしょ」
「ひまじん……」

き、君たちには夢というものはないのか!
話を合わせて盛り上げてあげようという温かい思いやりはないのか!
……まぁ、たしかにおっしゃる通りなんですけどね。
そういう無駄と思えることをやってみるのも、それなりに面白いと思うのだけど。

それにしても、ホタルを見られる図書室なんて、他にあるのかね?

2009年5月27日 (水)

FREE!

体育大会の練習もそろそろ追い込みという感じ。
でもクラスによっては思うように進んでおらず、あれをやってない、これを決めてないとやたらと焦っている生徒も……。
大丈夫か?
ついでに天気予報も当日は雨マークだぞ。
大丈夫か?

まぁそんな状況ゆえ、昼休みは賑わうものの、放課後はみんな応援練習があるので図書室は静かなもの。
仕事もはかどる。

さて、本を購入すると、特に新刊にはいろいろな折込チラシが入っている。
大量に納品された時など、これを取り除くのが面倒だし、だいたいはそのまま捨てているわけで、ちともったいないなぁと思ったりする。
ところがこれをちょいと置いておくと、「先生これちょーだい」と誰かしらが言ってくる。
ああいうのを読むのが好きな生徒は確かにけっこういるみたい。
もっとも目の前にあるものは何でも欲しがるのだけどね。
(賞味期限切れのお菓子とか)

で、その折込チラシを捨てずにトレーに入れ、カウンターの前に置いて「ご自由にお持ちください」という破格の(?)サービスを開始!
しおりとして使ってもOKだぞ。
どういう反応があるかわからないけど、とりあえずお試しですね。

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かなりの量があるけど、それほどスペースをとるわけにもいかないので、A4サイズのトレー1枚に全部入れてしまった。
一応綺麗に並べておいたけど、たぶんすぐにぐちゃぐちゃになるだろうなぁ。
ぐちゃぐちゃにするのが趣味みたいな生徒もいるからなぁ。
あまりひどいと見た目も悪いしなぁ。
どうしたもんでしょ?

ま、様子を見て考えましょ、
ということで、いつものように見切り発車。

2009年5月22日 (金)

解き放たれた者たち

東京で初の新型インフルエンザの感染者が、ここ八王子で出た。
しかも女子高生。
接点があるわけではないけど、何か迫ってきた感じです……。

ということで学校の職員、特に管理職の皆様は緊張感を漂わせているわけだが、
生徒はと言えば……
元気だ。

第一回定期考査も水曜日で終わり、すっかりプレッシャーから解き放たれた彼女たちの今一番の関心事は、5月30日に迫った体育大会。
学年を超えて行われる応援合戦の練習も始まり、熱気漂う今日この頃。
オーバーヒートして教室のドアを粉砕してしまう中学生も出たりして(ご注意あれ!)。
願わくばインフルエンザの流行で中止になったりせずに、しっかりとグラウンドでエネルギーを発散させてほしいものだ。
へんなトコロで発散してもらっては困るしね。

図書室も、解き放たれた生徒たちがわんさか借りにきた。
解き放たれたものだから、図書室でも何か言いたい放題だぞ。

「先生マテマテの新刊ないのー?」
なんだそれは、スマステの親類か、まったりの類語か?
「魔天使マテリアルのことに決まってるでしょー!」
知らんわ、そんなの……ついていけんわ。

「先生このシリーズの1巻ないのー?」
―貸し出し中です。
「何で貸してくれないのよー」
だからかしだしちゅうっていってるでしょわたしがいじわるしてかさないわけではないでしょ!!

「先生あの本私読みたいって言ってたでしょ、何で他の人に貸しちゃったのー!」
いや、だからそんなに借りたいのだったら予約してくれないと……。
「チッ!」
……舌打ちしやがった……。

もちろん、全部がこんなんじゃないですよ。
一部です。
全部こんなんだったら、毎日私はキレまくります。
しかし今日は疲れた。
お姉様の本(注・先日の図書案内参照)でも読んで寝てしまおう。

2009年5月20日 (水)

『叶恭子の 知のジュエリー12ヶ月』

タイトルを見ただけでは、なんだなんだなんだ、叶恭子? ジュエリー? 学校図書館に置く本か?
と疑問に思った方もいらっしゃるかも。
でも、これは思春期を迎えた子どもたちを対象にした、理論社の「よりみちパン!セ」シリーズの一冊で、悩み多き女の子へ贈る真っ当な書物。

正直あの叶恭子の本ということで、どんな写真が載っているのかとワクワクしながら、もとい、不安に駆られながら見てみたわけだが、写真など一切なし、誕生石の本か? と訝しく思ったが、そんなこともなし、驚愕の女子中高生向けアドバイス集であった。
うーん、びっくりだ。

20090520

もちろん、テレビでもおなじみのゴージャスワールドの先入観を持って読むことになるのだが、その一つ一つの言葉はいたってシンプルで真摯。
この人、ただのイロモノではないな、とちょっと見方が変わりました。
ホントに全部彼女の言葉なの、と疑う向きもあるかもしれないけど、まぁどっちにしてもこれだけ読ませてくれるならどうでもいいかな、という感じ。
人生経験豊富な、酸いも甘いも噛み分ける人でないとなかなか書けない哲学書。
オススメです。

例えば「自信とコンプレックス」と題したこんな文章。

わたくしもつねに、
自信とコンプレックスのはざまにいます。
けれども、それは他人と自分とを
比較することで生じるものではなく、
自分の中の理想との関係によるものでしかありません。

お姉さま、あなたはすごい人だ。
……と、物事を相対的にしか見れず、コンプレックスの塊と化している男は思うのであった。

2009年5月15日 (金)

おじゃる丸なのじゃ

最近ブログも少し定着してきたのか、先生方と話をしていると話題にあがったりするようになった。
で、「まったり、と言えば『おじゃる丸』だよね」と言う人がいて、しばらくおじゃる丸談議に。
「おじゃる丸」は皆さんご存じ(たぶん)の、NHKのアニメ。
主人公のおじゃる丸が、平安貴族らしいゆっくりとした時の感覚を表現するのに頻繁に使われるのが「まったり」であり、この言葉は「おじゃる丸」によってブレイクしたとも言える。
確かに「まったり」はもともとグルメ界の用語だし、一般的な言葉じゃないし。

で、はたと気づいた。
自分では認識していなかったけど、ブログタイトルに「まったり」という言葉を使用することになったのは、無意識のうちにおじゃる丸のマインドコントロールを受けていたのではないか?

と言うのも、今ではあまり見なくなったけど、息子が小さいうちはアニメもよく見ていたし、おじゃる丸言葉を真似たりしていたし。
しかも何を隠そう、ウチのカミサンなどは携帯電話の着信ボイスに今でもおじゃる丸を採用!
家に帰ると当然私もそれを聞かされることになる。

「そちに電話のようじゃ!」とか、
「そちあてにメールが来ておる、早く見てたも」とか、
「ほっー、遊びのメールのようじゃ」とか、
「急ぐ必要があるのかのー、そち、ちーとまったりしてたも」とか。
相手によってセリフが変わるように設定しているらしく、とにかくいろいろなセリフを突然ケータイが喋り出すので怖ろしい。

しまいには、突然「おじゃ、おじゃ!」と言い出したり、
「おっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ」と笑い出したり、
「おじゃーっ!!」と叫び出したりもする。

こんなものを毎日毎日聞かされ続けているので、おじゃる丸的言語センスが潜在的に蓄積されていったに違いない。
で、「まったり」などという言葉を選択してしまったのである。
恐るべし、おじゃる丸!
…………。

ちなみに一つ気にかかることがある。
「そちの大切な人からのメールじゃ」という着ボイスがあるのだが、私からのメールにはこれが登録されていないようだ……。

2009年5月12日 (火)

テスト一週間前です。

第一回の定期考査は5月18日から。
ということで、今週は月曜日からテスト一週間前の準備期間に突入。
この間、クラブ活動は原則禁止となり、図書室も放課後の貸し出しは中止に(昼休みはいつも通り貸し出し有り)。
もっとも、放課後どうしても借りたいという人がいるので、3時半くらいまでは貸し出してますけど。
図書室で試験勉強する生徒が多くなるので、静かさを守るためです。
(自習室もちゃんと別にあるのだけど)

しかし……。
テスト前なのに皆さん、よく本借りていきますねぇ。
図書室の人間としては喜ぶべきことなのだろうけど、教師としてはちと心配になる。
常連のお客さんたちは、毎日のように借りていくわけで、どう考えても試験勉強している時間はなくなると思うのだが……。

しっかり3冊も借りていく常連の子にちょっと訊いてみる。
「試験勉強は大丈夫?」
「大丈夫です(きっぱり!)」
「こんなに読んでいたら勉強するヒマないんじゃないの?」
「ないけど大丈夫です(きっぱり!)」

……うーん?
まぁ、追及しても仕方ないかもしれないけど、それは大丈夫ではないんじゃないかい?

ついでに言っておくが、図書事務室でまったりしている図書委員!
菓子食ってばかりいないで勉強せい!

とりあえず放課後がんばって勉強している子たちの姿を見て、ストレスを押さえることとしよう。
フー。

2009年5月 8日 (金)

返却日は5月21日

昨日はちょいとお休みをいただいた。
失礼しました。
ということで、本来図書の貸し出しもお休みになってしまうところだったが、
昼休みには何人かの図書委員が勝手に、もとい、他の先生の了解の下、貸し出し係をやってくれたそうである。

「連休明けだからお客(貸し出し希望者)すごく多くてたーいへんだったんだから」
「そうそう途中でカウンター閉めようかと思ったよ」
「こりゃ時給は900円だなー」

まぁまぁ、そう叫ぶな。
確かによくやってくれた、君たちは図書委員の鑑と言えよう。
でかした!とも言ってあげよう!
しかし、何度も言うようだが本校はバイト禁止である、お菓子で我慢しなさい、やっぱりいつになるか分からんけど。

と、まぁここまでは尊敬すべき司書教諭を見て育った生徒たちの心温まるお話であったが、おっと気づいたぞ、返却期限日のハンコが連休前にセットした5月16日になったままだぞ。
ちなみに本校では、貸し出す際に、裏表紙を開いたところに返却期限日のハンコを押すことになっている。
昨日の貸し出しなら、2週間借りられる規定なので、本来は5月21日になるはずだ。
どうもスタンプの日付を変えるのを昨日忘れたようである。
何てこった!!

とは言え、お仕事してくれたのだから、そうそう叱るわけにもいかない。
うーん、仕方ない、賞味期限切れのお菓子を用意してやろう。

……やはり小さい人間である(反省)。

ま、それはともかく、昨日(5月7日)図書を借りた皆さん、「21.5.16」のハンコが押されていても、返却期限日は5月21日でいいからね。
ご注意あれ。

はじめての文学

作家の名前は聞いたことあるけど、何を読んでいいかわからない、という話をけっこう耳にする。
図書室まで来て「何読んだらいいのー」とすがってくる人も……いる。
そういう人にオススメしたいのが「はじめての文学」というシリーズ。
現代文学を代表する作家十二名が、自作の中から「とりあえず、これから」と選び抜いた中短編のアンソロジー。
若い読者が対象ということでたいへん読みやすい編集になっており、中学生でも楽に読める。

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シリーズは以下の十二名で構成。
よしもとばなな/村上龍/村上春樹/浅田次郎/宮部みゆき/宮本輝
重松清/小川洋子/川上弘美/林真理子/山田詠美/桐野夏生

どこかで聞いたことのある作家ばかり……でしょう?
一人も聞いたことのない、という人は、面倒なので端から読んでみよう!
きっと自分のお気に入りの作家が見つかるハズ!
たぶん。

2009年5月 3日 (日)

いらないのであげます

数日前の朝、図書室へ行ってカウンターの奥に何か置かれているのを発見した。
何だあれは、もしや爆弾では?
しかし私は人から尊敬はされども恨まれる覚えはない(錯覚か?)。
恐る恐る近づいてみると、何のことはない、ただのガシャポンである。
どうやら前の日カウンターが閉まった後に置かれたらしい。

開けてみると小さなアンモナイトが入っている。
何だこれは、図書室に飾れとでもいうのか、確かに形は芸術的だが。
手紙も添えてあるぞ。

「先生へ
お元気ですか?
恐竜展に行ってガチャポンしたけど、いらないのであげます。」

………………。
敢えて名前は書かないが、いい度胸をしているな、卒業生の元図書委員長!
ここはリサイクルショップか?

しかしこの蛮行を世に告発してやろうなどと意気込んでしっかり写真まで撮っている私も、実に小さい人間だ……。

と言いつつ、やはり載せてしまうのであった。
 

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2009年5月 2日 (土)

『プレッシャーに負けない』

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昨年末に刊行された梅沢由香里さんの『プレッシャーに負けない』をご紹介。
著者の梅沢さんは本校の卒業生です。

梅沢さんは日本囲碁界有数の知名度を誇る女流棋士。
漫画「ヒカルの碁」の監修を務めたりしました。
テレビ番組やCMの出演なども数多く、その姿はテレビでよく見かけられます。
今年2月には女流棋聖3連覇を達成し、実力的にもトップレベルです。
本校としても、誇るべき卒業生の一人ですね。
ちなみにJリーグジュビロ磐田のゴールキーパーと結婚されています(これは余計なことですかね)。

彼女は中学時代からプロを目指したものの、プレッシャーに弱く7年間で14回もプロ試験に落ち続けたそうです。
そんな自分を振り返りながら、プレッシャーに負けず、乗り越えていくヒントを与えてくれています。
中学生でも読みやすいので、プレッシャーを感じている人はすぐにでも手にしてみよう!

もちろん、プレッシャーに押しつぶされ毎日泣きながら仕事をしている私がすでに読んだことは言うまでもない。