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2010年6月10日 (木)

あれ、ありますか

先日、人の名前どころか本の名前さえ思い出せないといった。
認めたくはないものだな、老化ゆえの衰えというものは。
と思ったけれど、どうも老化だけではないようで、思い出せない病は生徒にも蔓延しておる。

今日も今日とて、カウンターでのこんなやりとりがあった。
「先生、あれあるー?」
「あれとは何じゃ?」
「あれよ、あれ!」
「だから何なんだっちゅーの!」

よくある光景である。
本のタイトルも分からずに借りにくる。
もっとも最初から覚えようとさえしていないのかもしれんが。
それでもまだちょっとしたヒントでも言ってくれる場合はいい方だ。
松たか子が怖い先生の本、とか。
ニワトリが先か卵が先かとかの本、とか。
(実際に最近、生徒が口にしたヒント――本のタイトル分かるだろうか?
特に後者はなかなか難しい)

逆に、こちらからいろいろ訊いても全く要領を得ないこともある。
「なんだそれは、ミステリーか、ファンタジーか?」
「分かんないー、あれよあれー」
「小説なのか? テレビドラマのノベライズか? 映画化されたのか?」
「えーと、えーと」
「そもそも、それは本当に『本』なのか?」
「当り前でしょー! だからあれよ、あれ!」
えーい、あれで分かるかー! 
10年以上連れ添った夫婦だって「あれ」じゃ分からんのだ(体験的実感)!

このようにしてストレスというものは溜まっていくのであった。
生徒の皆さん、本のタイトルは少しでもいいから覚えておくように!