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2013年7月27日 (土)

夏休みです。

毎年夏休み前、貸出の際生徒たちがいろいろ質問してくるたびに思う。
何で君たちそれが分かってないの?

というにも、すでに夏休みの貸出については「図書だより」にまとめて配付しているわけであり。
そんなに難しいことではない、夏休み一週間前の貸出から返却期限が夏休み明けでOKになりますよ、貸出冊数も5冊までOKですよ、というだけのこと。
読めば分かるでしょ?

でもねー、読んでないんですよねー、要するに。
図書だよりの他の部分は読んでいるのに、肝心の貸出ルールについてはなぜか読んでいない。

「先生、新着図書案内に出てるこの本、ありますかぁー?」
「ここにあるよー」
「これっていつまでに返せばいいんですかぁー?」
「夏休み明けまでいいんだけどね、それって君がいま手にしているそのプリントに書かれているよね?」
「えー、そうなんですかぁ、でもまぁ、直接訊いた方が早いですからー」

読んできなさいよー、せっかく夜なべして作ったんだからー!
(すいません嘘です夜なべはしていません)

確かに直接訊いた方が早いんでしょうけどね。
カウンターの前に「夏休み特別ルール」を赤字で掲示していても訊いてくるし。
まぁでも、それくらいは許そう。
しかし中には許せないヤツもいる。

「先生、私今2冊借りてましたよね、あと1冊しか借りられませんよね?」
「2冊借りてるけど夏休み中は5冊までOKだから、あと3冊借りられるよー」
「えー、ほんとですか、何で早く言ってくれないんですかー!」

知らせてるだろー、とっくに!

まぁそんな毎年の学期末を終えて、やっと夏休みに突入しました。
とは言ってもまだまだ仕事はあるんだけど。
とりあえず生徒のみなさん、楽しい夏休みをどうぞ。

2013年7月18日 (木)

たまには本の話でも

タイトルを書いてから思ったのだけれど、「たまには本の話でも」って、おかしいですよね。
これって図書館のブログだし。
たまには本の話でも、って読者の皆さんから怒られるレベルじゃないのか、と心配になる今日この頃。
とはいえ、いつもくだらない話ばかり書いているので仕方ないなぁ。
ごめんなさい。

まぁ唐突に本の話とかしだすと何事かと思うかもしれませんが、昨日芥川賞の発表があったもんで。
芥川賞はご存じの方も多いと思いますが、藤野可織さんの『爪と目』が受賞。
それをどうこう言う資格はありません、何たって読んでませんので‥‥‥(笑)。

ただ、ノミネートにいとうせいこう氏の『想像ラジオ』が入っていて、これはぜひ受賞して欲しいなと思っていたので、ちょっと残念。
まぁかつてほどの威厳はないかもしれないけれど、さすがに芥川賞をとれば、多くの人が関心を寄せるのは間違いないからなぁ。
業界ではもう十分話題にはなっている作品だけれど、普段あまり読まない層にも知ってもらうには芥川賞なんかはもってこいだし。

などと、かなり推してみるわけだけど、久しぶりにいいもん読んだと実感できる小説だったので。
「おもしろい」小説というのは、けっこういっぱいあるわけだけど、こういう感覚が持てる小説はあまりないもので。

ネタバレは避けたいのであまり詳しくは書かないけれど、東日本大震災を扱った作品で、ポイントは「残された者」の悲しみだけでなく「残していってしまった者」の悲しみに言及していることかな。
言葉は平易でとても読みやすい。
ただし理解するのには、ちょっとした「想像力」が必要でしょうか。

「あなたは感受性だけ強くて、想像力が足りない人なのかな?」
「それ、最悪だね」
なんていう会話があって、身にしみます。
想像力をめいっぱい発揮して読んで欲しいですね。
これは今、必要な作品。

Sozorajio

それにしてもねぇ‥‥‥。
そんな良書を見て、某女生徒はこんなことをおっしゃる。
「『想像ラジオ』って何ですか、ドラえもんの道具ですか?」
絶句。
だが、確かにドラえもんの道具にありそうな気もする。

「のび太はしずかちゃんに告白したいけれど、恥ずかしくてできない、だからドラちゃんに『想像ラジオ』を出してもらって、それを使うと頭で想像するだけでしずかちゃんに聞こえるようになるんですよー」
ほー、なるほど、それはちょっと作品に通じるものもあるな。
「でもねー、ラジオだからしずかちゃんだけじゃなくて、ジャイアンとかスネ夫とかにもみんな聞こえちゃって、しずかちゃんもみんなから冷やかされ、怒って『のび太さんなんか大っきらいー』とか言っちゃうんですよ(笑)」

君‥‥‥、けっこう想像力あるね(想像の方向にやや問題があるようだけど)。

2013年7月11日 (木)

恐怖!なめくじ女

「先生、この前図書館に貞子がいましたよ、貞子が(笑)」
突然生徒に言われましたが、何ですか、それ?
「カウンターの上に貞子が這ってたんですよ(大笑)」

貞子と言えばもちろん、テレビから這って出てくる、あの恐ろしいヤツである。
図書館の図書事務室は独立していて、貸出のカウンターは事務室と閲覧室の間に設置されており、貸出時間にはこの間の窓を全開にして受け付けている。
でも、貸出時間帯以外は通常窓を閉めて貸出中止に。

というわけで、授業時間中は閉まって貸出はしていない。
ところがその日の6時間目、高校3年生はちょっと早めに5時間目で終わったため図書館に行く生徒もいたわけ。
司書教諭が居ればそれでも貸出も受け付けるのだけれど、その日は用事があって別の場所にいたため事務室自体閉められており。
どうやら本を借りたい生徒が、カウンターの窓を開け、勝手にカウンターの上を這ってズルズルと中に入り込んで自分で貸出手続きをしたようである。
女子高生たるものが、なんという暴挙!
で、その様子を図書館の外から見ていた生徒が、貞子だ貞子だと笑ったという次第。
誰だかは分からなかったようだが。
カウンターの窓を開けてズルズルと身体を這わせる女、確かに貞子ともいえるし、なめくじのようでもある。
ああ、恐ろしや、なめくじ女!

でもですねー、自分でパソコン使って貸出や返却の管理ができる、しかも高3って言えば、誰だかはだいたい見当がつきますね。
ということで、昨日ちょっと犯人候補者のグループに聞いてみた。

司書「君たちの中で何か悪いことした覚えのある者はいないか(ニヤリ)?」
A子「えー、な、何のことですかぁー(動揺)」
(B子、そっぽを向いて会話に入ろうとせず。)
司書「目撃者がいるんだけどねー、早いとこゲロした方が(失礼!)身のためだよー」
(B子は泳がせておいてA子に突っ込む。)
A子「えー、それは変だって、あの時周りにはうちらしかいなかったしー」
司書「ふっ、語るに落ちたな、『あの時』ってどんな時なんじゃい!」
A子「いやいやいや、それはB子に聞いてください」
B子「いやいやいや、それはですね、本を借りたいと思っ▼☆*◆♂※〓〆‥‥‥」

普段から滑舌悪くってよく分からんのに、動揺していて何を言っているのか全くわけが分からんではないか。
それにしても見た目の慌てぶりは分かりやすくて笑える。
まぁでも罰として、今後君のことは「なめくじ女」と呼ばせてもらうからそのつもりで。
文句言ったら塩かけるぞ!

(よい子は真似しちゃだめですよ)

2013年7月 2日 (火)

司書教諭にあるまじき

先日常連の生徒から「司書教諭にあるまじき言葉・ベスト3」を突き付けられた。
「本なんか読んでるな!」
「読む本探してるな!」
「本借りに図書館に来るな!」
以上である。

そ、そんなひどい言葉を司書教諭が口にするなんてこと‥‥‥ま、確かに何度も言ったな。
君らにはな。
誰にでも言うなんてことはない。
毎日図書館にやってきて定期考査直前だというのに毎度毎度本を借りていくような困った生徒にしか言わんのだ。

もっとも、テスト前になると本を読みたくなるというのはよくあること。
まぁ理解もできる。
他にはテスト前に片付けや掃除をしたくなる、というのもよく聞くが。

ちなみにこれって心理学的にも認められていることで、セルフ・ハンディキャッピングというヤツですね。
テストの成績が悪かったらどうしよー、と焦ったりすると、自らハンディキャップを作りだして言い訳を用意しておくというわけ。

あと、よくあるのが「わたし全然勉強してないのよねぇー」とか周囲にアピールするってヤツ。
これも同じようなジャンルの行為。

前者は獲得的セルフ・ハンディキャッピング、後者は主張的セルフ・ハンディキャッピングという言い方をする。
なんか英語で言うとかっこよくなっちゃうんで、何かなーと思うのだけれど、要するに逃避行動だよなぁー。
って決めつけちゃいけないのかしらん。
そんなに難しい話じゃなくて、ただ勉強に飽きたんでー、ってくらいだったりして。

以前、そんなような話を生徒にした時、その生徒が目を輝かせてこんなことを言ったのを覚えている。
「体重測定の前にケーキ食べたくなるのって、そういうことだったんだ!」

うーん、それは私には分からんけど‥‥‥。

まぁ皆さん、ここはひとつ、正々堂々と試験に向かっていっとくれ!
健闘を祈る!
(祈ることしかしないけど)