2013年7月18日 (木)

たまには本の話でも

タイトルを書いてから思ったのだけれど、「たまには本の話でも」って、おかしいですよね。
これって図書館のブログだし。
たまには本の話でも、って読者の皆さんから怒られるレベルじゃないのか、と心配になる今日この頃。
とはいえ、いつもくだらない話ばかり書いているので仕方ないなぁ。
ごめんなさい。

まぁ唐突に本の話とかしだすと何事かと思うかもしれませんが、昨日芥川賞の発表があったもんで。
芥川賞はご存じの方も多いと思いますが、藤野可織さんの『爪と目』が受賞。
それをどうこう言う資格はありません、何たって読んでませんので‥‥‥(笑)。

ただ、ノミネートにいとうせいこう氏の『想像ラジオ』が入っていて、これはぜひ受賞して欲しいなと思っていたので、ちょっと残念。
まぁかつてほどの威厳はないかもしれないけれど、さすがに芥川賞をとれば、多くの人が関心を寄せるのは間違いないからなぁ。
業界ではもう十分話題にはなっている作品だけれど、普段あまり読まない層にも知ってもらうには芥川賞なんかはもってこいだし。

などと、かなり推してみるわけだけど、久しぶりにいいもん読んだと実感できる小説だったので。
「おもしろい」小説というのは、けっこういっぱいあるわけだけど、こういう感覚が持てる小説はあまりないもので。

ネタバレは避けたいのであまり詳しくは書かないけれど、東日本大震災を扱った作品で、ポイントは「残された者」の悲しみだけでなく「残していってしまった者」の悲しみに言及していることかな。
言葉は平易でとても読みやすい。
ただし理解するのには、ちょっとした「想像力」が必要でしょうか。

「あなたは感受性だけ強くて、想像力が足りない人なのかな?」
「それ、最悪だね」
なんていう会話があって、身にしみます。
想像力をめいっぱい発揮して読んで欲しいですね。
これは今、必要な作品。

Sozorajio

それにしてもねぇ‥‥‥。
そんな良書を見て、某女生徒はこんなことをおっしゃる。
「『想像ラジオ』って何ですか、ドラえもんの道具ですか?」
絶句。
だが、確かにドラえもんの道具にありそうな気もする。

「のび太はしずかちゃんに告白したいけれど、恥ずかしくてできない、だからドラちゃんに『想像ラジオ』を出してもらって、それを使うと頭で想像するだけでしずかちゃんに聞こえるようになるんですよー」
ほー、なるほど、それはちょっと作品に通じるものもあるな。
「でもねー、ラジオだからしずかちゃんだけじゃなくて、ジャイアンとかスネ夫とかにもみんな聞こえちゃって、しずかちゃんもみんなから冷やかされ、怒って『のび太さんなんか大っきらいー』とか言っちゃうんですよ(笑)」

君‥‥‥、けっこう想像力あるね(想像の方向にやや問題があるようだけど)。

2012年2月 9日 (木)

たまには本の話でも

えー、相変わらずふざけた話ばかり続いていてちょっと後ろめたいので、たまには本の話を書いてみようかと。
というのも、先日(といってもちょっと前だけど)、毎年楽しみにしている「本屋大賞」のノミネート作が発表になったもんで。
何度も言っているように、「本屋大賞」は書店員さんたちの投票で選ばれるからなのだろうけれど、一般的な意味で作品に「ハズレ」がない。
好き嫌いはあるかもしれないけれど、この賞の選択はほぼ信頼してよいと思っている。
で、今回のノミネート作は下記のとおり。

『偉大なる、しゅららぼん』 著/万城目学(集英社)
『くちびるに歌を』 著/中田永一(小学館)
『ジェノサイド』 著/高野和明(角川書店)
『誰かが足りない』 著/宮下奈都(双葉社)
『人質の朗読会』 著/小川洋子(中央公論新社)
『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』 著/三上延(アスキー・メディアワークス)
『ピエタ』 著/大島真寿美(ポプラ社)
『舟を編む』 著/三浦しをん(光文社)
『プリズム』 著/百田尚樹(幻冬舎)
『ユリゴコロ』 著/沼田まほかる(双葉社)

以上、10作品。
毎年これが発表されるたびにちょっと不安でドキドキするのは、図書館に全部揃っているかどうかということ。
面白い本をしっかり選んできていたかを判断するバロメーターのようなもの。
今年は全部購入していました。
よかったよかった。

さて、大賞の発表はまだまだ先で、4月のことなのだけれど、今年はどうでしょうか?

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エンターテインメントとして、スケールの大きさや完成度から言えば『ジェノサイド』でしょうね。
2012年度の「このミス」でも1位になったし。
同僚のある先生は「この10年くらいで一番面白かった」とまで言っていたし。
けれども巨人が勝っても面白くない、というのと同じで(一部ブーイングあるかもしれぬが無視)、これが選ばれたら当たり前すぎる気もしますな。
間違いなく面白いんだけど。

あと『ユリゴコロ』も今年ブームでしたね。
というより「沼田まほかる」ブームというべきか。
他の作品も面白いという噂だったので読んでみたけれど、うーん、個人的にはけっこうバラツキがあるな、と思うのですが‥‥‥。
ただこの作品はやはりすごいな、と思うので候補のひとつ。

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本好きの人間にとっては、古書店を舞台にした『ビブリア古書堂の事件手帖』も推したいところ。
文庫本からエントリーされるというのも珍しい(初めてかな?)。
三上延はもともとライトノベル作家なので、ライトノベルは図書館にたくさんあるのだけれど、実際読むのはこの作品が初めてなので申し訳ないが、これは本当に面白かった。
現在2巻まで出ているけれど、先がありそうなので期待大。

もう一つ、本好きとしては『舟を編む』もいい。
辞書作りを生きがいとする登場人物たちが実にかっこいい。
三浦しをんという人は、ものすごい取材力の持ち主だなぁといつも感心してしまう。
書店員が推す、という前提を考えるとこれもアリか?

さらに言えば『しゅららぼーん』にもがんばってほしい。
以前ブログの中にちょっと書いたかもしれないけれど、相変わらず万城目学はおもしろい。
「バカだなぁー」と言いながらついつい独特の世界に浸ってしまう。

おっと、すでに半分を推してしまった。
どれか一つに絞るのは困難だな。
それに、何でこれがノミネート作に入ってこなかったのかなーという本もあるし、あらためて思い出してみても、やはり面白い本はいっぱいあるな。
ほんとに。

ということで、図書館には全部置いてあるので、生徒の皆さんは借りにおいでー。

2010年9月 4日 (土)

直木賞作家、実は卒業生!

夏休み直前の7月15日、第143回の直木賞が決定。
以前ここでも取り上げた「天地明察」などの候補作品が6作挙がっていたのだけれど、見事受賞したのは中島京子さんの「小さいおうち」でした。
これはまぁ、ご存じの方も多いと思うのだけれど。
で、実はこの中島京子さん、我が共立女子第二高等学校の卒業生なんです
すごいぞ、中島さん!
やったぞ、中島さん!
ひゃぁ~、中島さん!

ちょっと公表に慎重になっていたのだけれど、教頭から「まぁいいのでは」ということでOKも出ましたので、大々的に……というわけではないけれど、とりあえずここにお伝えします。
公式HPにもトップページに載せたいですねぇ。
中島京子さん、おめでとうございます!(ちょっと遅くなっちゃいましたけど……)

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ちなみに中島さんは本校の10回生でした。
文芸部にも所属していたそうです。
文芸部にその頃の機関誌が残っていたら、すごく価値のあるものになったでしょうけどね。
まぁ、たぶんもうないだろうなぁ。
私はまだその頃は勤務していなかったのだけれど、教頭に聞くと「覚えてるよー」と言っておりました。
もうだいぶ昔なんだけど、さすが教頭!
いやぁ、すごいな教頭は!
よ! にっぽんいち!……。

いかん、あんまりふざけると叱られるので止めておこう。
教頭もそうだけれど、学校に勤務する者としては本当~に嬉しいですね。
誇りに思います。
もちろん、在校生の皆さんもそうだと思うけれど。

というわけで、受賞作「小さいおうち」をぜひ一度読んで欲しいですね。
内容的には、昭和初期から戦時中、戦後の激動の時代を背景に、ある一家の忘れがたい秘めた恋の物語を、主人公である女中の目を通して描かれるもの。
在校生の皆さんにも読みやすいと思うので、ぜひご一読を。

中島さんはこれまでにもたくさん作品を出していて、図書室にもかなりたくさんあるので、それらの作品も併せて読んでみておくれ。
そして先輩に続け!という生徒諸君が現れることを期待する司書教諭であった。

2010年6月10日 (木)

あれ、ありますか

先日、人の名前どころか本の名前さえ思い出せないといった。
認めたくはないものだな、老化ゆえの衰えというものは。
と思ったけれど、どうも老化だけではないようで、思い出せない病は生徒にも蔓延しておる。

今日も今日とて、カウンターでのこんなやりとりがあった。
「先生、あれあるー?」
「あれとは何じゃ?」
「あれよ、あれ!」
「だから何なんだっちゅーの!」

よくある光景である。
本のタイトルも分からずに借りにくる。
もっとも最初から覚えようとさえしていないのかもしれんが。
それでもまだちょっとしたヒントでも言ってくれる場合はいい方だ。
松たか子が怖い先生の本、とか。
ニワトリが先か卵が先かとかの本、とか。
(実際に最近、生徒が口にしたヒント――本のタイトル分かるだろうか?
特に後者はなかなか難しい)

逆に、こちらからいろいろ訊いても全く要領を得ないこともある。
「なんだそれは、ミステリーか、ファンタジーか?」
「分かんないー、あれよあれー」
「小説なのか? テレビドラマのノベライズか? 映画化されたのか?」
「えーと、えーと」
「そもそも、それは本当に『本』なのか?」
「当り前でしょー! だからあれよ、あれ!」
えーい、あれで分かるかー! 
10年以上連れ添った夫婦だって「あれ」じゃ分からんのだ(体験的実感)!

このようにしてストレスというものは溜まっていくのであった。
生徒の皆さん、本のタイトルは少しでもいいから覚えておくように!

2010年4月21日 (水)

おめでとうございます!

4月20日、本屋大賞の発表がありました。
個人的にすごく嬉しいんです。
あまりにも嬉しいので、つい先ほどまで持ち帰り仕事していて日付が変わってしまったというのに眼がランランとしちゃっているぞ。
発表のあった昨日のうちに書きたかったのだが、まぁ仕方ない。
とにかく、冲方丁さん、おめでとうございます!

本屋大賞は『天地明察』に決定。
3月4日のブログで紹介した通り、これはとにかくおもしろくて個人的に大絶賛していたわけで、そういう作品が賞をとったりするとホント、嬉しいんですね。

某先生にもお勧めしたところ、春休みに借りていって読んで、すごく面白かったので結局自分でも買うことにしたということで。
これはやはり、はまる人ははまってしまうな。

よし、写真も出しちゃうぞ(3月4日と同じヤツだけど)。

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ところで、売れっ子の村上春樹や東野圭吾は、あまり票が伸びなかったようだ。
やはり本屋大賞は店員さんが売りたいと思う本を投票するということなので、何もしなくても売れちゃう本には票が集まらなかったということでしょうか。

まぁいずれにせよ、何度も言うけれど大賞に選ばれなったとしても、ノミネート作品はみんなおもしろいので、読んでくれー。
図書室にすべてあるぞ。

今日はとりあえず喜びの報告まで。

2010年3月 4日 (木)

『天地明察』です。

学校は現在今年度最後の定期考査中。
ということで、貸し出しは休止、図書室も静かなもの。
鬼の居ぬ間に、というわけでもないが、久々に本の紹介をしましょうか。
もともとそれがブログの当初の目的だったのに、最近は愚痴をこぼす場と化しているようにも思える。
いかん、いかん。

さて、先日本屋大賞のノミネート作品が発表されたという話題を取り上げた際、その時点ではまだ1冊だけ納品されていない作品がある、ということを記した。
昨年12月に発刊された『天地明察』(冲方丁・うぶかた とう)。
ということで読むのが遅くなったのだけれど、いやぁー、これはおもしろかった!
最近では一番かな(個人的には)。

20100304

江戸時代、「日本独自の暦」を作ることに生涯を賭けた実在の人物、渋川春海。
碁打ちにして数学者であるその春海の20年にわたる奮闘・挫折・喜びを描いた成長物語。

作者の冲方丁はライトノベル作家であり、SF作家であり、ゲーム制作者であり、漫画原作者であり……とマルチな才能を発揮している。
時代小説は今回が初めてなのだけれど、お見事の一言。
主人公を取り巻く一癖も二癖もあるような個性的な歴史上の人物も輝いている。
水戸光圀、関孝和(数学者)、本因坊道策(棋士)などなど。
ライトノベルっぽさもちょいと垣間見られるけれど、それが軽妙な味を出していて読みやすい。
物語の根底に流れる、数学・天文学といった学問に対する畏敬の念といったものを受け付けない人にはちょっと敬遠されるかもしれないけれど、個人的には絶賛ですね。

まぁ確かに、女の子にはどうかなぁ、という若干の懸念はあるけれど、ライトノベルの発展形だと思ってぜひ読んでくれぃ。
算術オタクに万歳!

2010年1月25日 (月)

本屋大賞ノミネート出る

知っている人も多いと思うけれど、先週末に本屋大賞のノミネート作品が発表になりました。
本屋大賞は書店員の投票で決まる賞で、ハズレ作品のない賞として有名。
ウチの図書室でも、ノミネート作品は毎年イチ押しです。
昨年度受賞は湊かなえの『告白』で、このブログでも紹介しましたね。
で、今年度のノミネート作品もやっぱり、という作品ばかり。

『1Q84』 村上春樹 (新潮社)
『神様のカルテ』 夏川草介 (小学館)
『神去なあなあ日常』 三浦しをん (徳間書店)
『植物図鑑』 有川浩 (角川書店)
『新参者』 東野圭吾 (講談社)
『天地明察』 冲方丁 (角川書店)
『猫を抱いて象と泳ぐ』 小川洋子 (文藝春秋)
『船に乗れ!』 藤谷治 (ジャイブ)
『ヘヴン』 川上未映子 (講談社)
『横道世之介』 吉田修一 (毎日新聞社)

このうち『猫を抱いて象と泳ぐ』は4月にここで紹介したし、『船に乗れ!』はつい先日紹介したばかり。
おもしろい作品ばかりで、図書室にすべて揃っています(正確に言うと『天地明察』だけは納品待ちの状態ですけど)。
好き好きはあるだろうけれど、すべて読んでおいて損はない!

ちなみにウチの図書室の貸し出し状況で賞を決めるなら、やはり有川浩ですかねぇ。
『植物図鑑』もいいけれど、『図書館戦争』シリーズをはじめ多くの本が次から次へと貸し出されている。
その次が東野圭吾。
図書室にある作品数もかなり多いけれど、貸し出し数もとても多い。

さてさて、大賞はどれがとるでしょうか。
昨年の話題性から言えば間違いなく『1Q84』なのだろうし、確かにすごい作品だと思うけれど、あまりにも当然の結果となってしまって面白くないかなぁ。
『猫を~』はとても好きだけれど、小川洋子はすでに一度大賞取っているしな(二度取ってもいいんだけど)。
個人的には『船に乗れ!』だったりすると、ちょっと嬉しいかも。

大賞の発表は4月20日の予定。
ということは、まだ三ヶ月くらいあるわけなので、読んでない人はそれまでに全部読んで大賞を予想してみよう。
一口100円で受付中です!
(通じないとまずいので断っておくけれど、冗談ですから! 一応)

うーん、今回は真面目だったな。
まぁ生徒の皆さんは入試休みもあることだし、いろいろ読んでみてくだされ。

2010年1月12日 (火)

あけおめ『船に乗れ!』

1月の12日にもなって「あけおめ」もないもんだろうとは思いますが、一応1年の初めということで、おめでとうございますです。

今日から新学期スタートです。
皆様楽しいお正月を過ごされたでしょうか?

私はと言えば、テレビドラマ「のだめカンタービレ」再放送のチェックに始まり、「のだめ」コミック全23巻を一家全員で読破し、大晦日は紅白も見ずにウラのBSフジで一挙放映していたアニメ版「のだめ」全編を皆で延々と見続け、挙句の果てに新作の「のだめ」映画も一家揃って見に行くという、ダラダラ生活を送ってしまいました。
ある意味、疲れた。
ほとんど「のだめ」見て、音楽聴いて正月は終わってしまった。
なんだったんだろう?

さて、私の正月生活など興味ないぞ、などと言うことなかれ。
これは今回の紹介本のための導入・前置き。

「のだめ」はほとんど音楽とのコラボレーションとも言える作品でファンも多いわけだが、音楽を扱っている小説というのも実に多い。
村上春樹などは小説内で音楽を効果的に使っており、「村上春樹の音楽図鑑」などテーマを音楽にしぼった本も数冊出ているくらい。
青春小説にもバンドや音楽クラブを舞台にしたもの数多し。
その中でも、昨年11月に第3巻が出て完結したこの作品は傑作!
藤谷治の『船に乗れ!』全3巻。

20100108

音楽大学付属校の音楽科を舞台に、苦悩するチェロ弾きの少年の成長を描きます。
第1巻だけ読むと明るい青春恋愛小説かと思うのだけれど、第2巻で思い切り混乱。
あまり書くとネタバレするのでやめておくけれど、なかなか深い小説なんですね。

「のだめ」ではないけれど、読んでいるとウズウズと音楽を聴きたくなります。
クラシックの基礎や薀蓄(うんちく)なども織り交ぜられており、クラシック好きな人はもちろん、あまり興味のなかった人でも何となく理解したつもりでおもしろく読めるのでは。

大人となってしまった者からすると、本当に思春期というのは難しくて楽しいもんだなぁ、などと感慨に浸ってしまったりする。
まぁでも、あまり深く考えずに楽しく読んでもらえばよろしいかと。

さあ、
楽しい読書の
時間デス。
(パクリました)

2009年12月24日 (木)

めりくり

冬休みに突入しました。
とはいえ、今日までウィンターゼミ期間ということで学校は賑やか。
巷はクリスマス・イブで浮かれているというのに、勉学に勤しむとは素晴らしい心がけだ!
(渋々やっているんだ!などと言わないように)

さて、そういうことなので図書室も開けていたのだが、もう夕方になり静かなもの。
受験を控えた高校生はまだまだ頑張っているけれども。
まぁクリスマス・イブということもあるので、ちなんだ本を紹介しようかと。

先日生徒と話していて、意外と知らない者が多かったのでまずこの本を取り上げましょう。
『サンタクロースっているんでしょうか?』

20091224a

分類としては「絵本」になるのかもしれないけれど、内容は1987年9月21日の「ニューヨーク・サン新聞」の社説を訳したもの。
バージニアという8歳の少女の「サンタクロースって、ほんとうに、いるのでしょうか?」という問いに、新聞社の記者が社説で回答。
いまではこの社説が古典として扱われるほど有名になって、この時期にはいろんな場所で語られているというすぐれもの。

どんな回答だったかは、読んでのお楽しみということで。
私のように心の清らかな者であれば、大人であっても涙がこぼれることでありましょう(一部疑惑あり)。
いずれにせよその意味するところは結構深いものがあり、信ずる心の大切さを再認識できるようであれば、あなたも幸せなクリスマスを過ごせるでしょう!

ちなみにウチの息子(小4)がすっかりサンタを信じなくなってしまい、失望と淋しさに落ち込むあまりこれを取り上げたということは、…………ないこともない。

さて、もう一冊は個人的なお気に入りを。
数年前に出された、写真(吉村和敏)と小説(石田衣良)で構成したクリスマスブックで、毎年クリスマス近くになると必ず見たくなるすぐれもの。
『SILENT NIGHT』

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小説の方は数ページほどの短編なのでちょっと置いておいて(石田先生、ごめんなさい)、とにかく写真が素晴らしい!
吉村和敏氏が18年間に渡って撮影し続けたカナダのクリスマスの光景をまとめた写真集。
ちょっとまずいかなぁと思ったのだけれど、ちょっとだけ何気なく(でもないが)開いたところの写真をご紹介。
とにかく幻想的で叙情的な写真に溢れている。
傑作。
ろまんてっく好きな人はぜひご一読あれ。

ということで、今年ももうすぐ終わり。
学校も来週からは閉鎖期間に入るので、まったり図書室も今年はここまでですね。
また来年もよろしくお願いします!

ではでは。

2009年11月24日 (火)

としょかんいぬ

先日も犬好きの話をついしてしまったが、さらに言わせてもらうと、実はある野望を抱いている。
それは、図書室で犬を飼う、という宿望。

実は図書館と動物は昔から仲がよろしいようで、それを扱った図書もよく見られる。
ウチの図書室にある図書をちょっと集めてもこんな感じ。
左から「読書介助犬オリビア」、「としょかんライオン」、「図書館ねこデューイ」。

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「としょかんライオン」は素晴らしい絵本。
絵もいいし、本当にこんなライオンがいてくれたらいいな、と思う……けど、いないだろうな。
他の二冊はノンフィクション、実話。
詳しいストーリーは省くけれど、要するに図書館で活躍した犬・猫のお話。
皆さんも読んでみてちょうだい。
個人的には、猫もいいけれど、やはり犬にいてほしいな、ぜひ。

まぁでも、やはりいろいろ問題はあるだろうなぁ。
図書室で吠えたりしたらすっごくうるさいだろうし。
本や机をかじったりするかもしれないし。
それどころか生徒をかじったりするかもしれないし。
生徒にかじられるということは……ないと思うけど(たぶん)。

こういうのは結局しつけの問題だな。
しっかりしつけられた犬だったら特に面倒は起こさないのだろう。
しかしその「しつけ」が難しい。
私もれっきとした一人の教育者である、一応。
だが本職であるところの人間の教育でさえ四苦八苦なのだ。

もっとも人間より犬の教育の方が楽なのかもしれないけれど。
常連の中学生などを思い出してみると、それは確信してしまうな。
まぁこれ以上言うとまた非難ゴウゴウなのでよしておくが。

ということなんですが、どうでしょうかね?
ダメですかね?