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2016年3月11日 (金)

当たり前の毎日に感謝を……(東日本大震災から5年)

東日本大震災から5年。
今年も鎮魂の日を迎えました。
本校では朝のホームルームの際、校内放送で生徒会から全校生徒にメッセージが伝えられ、全員で黙とうをささげました。
メッセージは、福島で被災し故郷を離れ、そして現在は本校で生徒会役員としてもがんばっている生徒により語られました。
心を揺さぶられるそのメッセージを、長文になりますがご紹介させていただきます。
みんなが笑顔でいられるように、出来ることをこれからも続けていきます。

160311

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今からひと月程前、私は久しぶりに、福島に帰省しました。実は、私は、東日本大震災の後、住み慣れた福島をあとにした一人です。
これまでも何度か帰省はしているのですが、その度に目に飛び込んでくるのは、震災の爪あとが残された、ひび割れた道路や塀、そしておびただしい数の仮設住宅です。
自分の故郷なのに、私の好きだった場所は、もう、思い出の場所ではないのです。

震災から5年の間に、道路や鉄道など、生活に必要なものの復興は進みました。しかし今年の1月の時点で、避難者数は約17万人、仮設住宅に住んでいる人は約15万人もいるそうです。

被災地の報道も年々少なくなっていますが、多くの人が突然それまでの暮らしを奪われ、いまだ震災の爪あとと戦っていることを、私たちは忘れてはいけないと思います。そして、そういう事実があったことを忘れずに、自分たちが今できることは何か……ということを考えることが大事なのではないでしょうか。

ここで、この東日本大震災で、犠牲になられた方々に、謹んで哀悼の意を表し、黙とうを捧げたいと思います。

黙とう

 

黙とうを終わります。

 

「帰る家があること、家族がいること、友達がいること、食べるものに困らないこと、家に帰れば温かいご飯がでてくること、健康でいられること」
これらは当たり前の日常に感じますが、実はとても幸せなことなのではないでしょうか。ですから、その状況に日々、感謝をしながら生きていかなければならないと、思わずにはいられないのです。

私たちの学校は「福島ひまわり里親プロジェクト」に参加しています。これは、被災地から送られてきたひまわりの種を育てて、増やした種を福島へ再び戻す試みですが、福島へ戻った種は福島で植えられ、たくさんの花を咲かせ、それを見にたくさんの方が観光に来てくれるということに役立っているそうです。
昨年、この学校でも福島のひまわりの種が植えられました。そのひまわりは昇降口の前の花壇で、水や太陽の恵みを受けて成長し、大きな花をたくさん咲かせました。
そして、できた種はまた故郷の福島に戻り、まさにこれから、誰かの役にたとうとしています。
私たち、共立生一人一人も、いろいろなものに支えられて大輪の花を咲かせるひまわりのように、日ごろから、支えてくれる人たちに感謝し、また自分たちも誰かの役にたてるような当たり前の毎日を過ごしていけたら……そんな願いをこめて、メッセージとさせていただきます。

ありがとうございました。