茶道部・釣釜のお稽古
裏千家では、三月に釣釜のお稽古をします。
天井からつるして炉にかけるのが釣釜で、これを見ると春を感じます。
釘に鎖を垂らすと炉の真ん中に鎖がくるように、釘が打ってあります。
重い釜を下げるため、天井が落ちないように、通常は太い木を天井裏に通して、そこに打ち付けるものだとか。
茶室の設計段階から釘を打つ計画を立てないと出来ないものだそうです。
通常、釜は炉の中に設置した五徳の上に乗せられていますが、釣釜ではその名の通り五徳を取り除き、天井に打たれた釘、蛭釘(ひるくぎ)から釜を釣り下げて使用します。
お点前中もゆらゆらと揺れて柄杓の扱いは心もとない感もありますが、これが春の風情を表しているともいえます。
三月に釣釜にするのには、この春の風情を楽しむことと、炉中に撒かれた灰が増える、炉の終わりゆく時期に思いを馳せる意味もあるそうです。
右下の写真は先生に活けていただいた花で、ロゼフローラ(椿)とダンコウバイ。
どちらも春を感じさせる可憐な花でした。
(和室)