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2015年4月12日 (日)

いやですからそういわれてもね

「先生、パンダのことですけど」
「どうした、パンダの写真集でもリクエストしたいんか?」
「違います、パンダがやってきたっていう4月1日のフェイスブックのことです」
「エイプリルフールだから問題ないでしょ」
「問題ないことないでしょ、信じちゃう人がいたらどうするんですか!?」
「い、いやだからちゃんと(言っておくけど今日は4月1日)って注意書きしてるでしょ」
「でもその意味が分からない人だっているんじゃないですか、本当に飼っていると思ってゾロゾロと見学に来たりしたらどうするんですか!」
「まぁ確かに学園の事務の人に電話かけたら『本当に飼うことになったんですか?』とかマジで訊かれてしまったが‥‥‥」
「ほらほーら、大変ですよー、責任問題ですよー、クレーム来ますよー(嬉)」
「よ、よしなさい! 実はけっこうドキドキしてるんだから(大汗)」
 

「とはいえ、そうは言いつつも先生のことだから、、ニヤニヤウキウキしながら面白がって投稿していた姿が目に浮かぶようです」
「な、何を言うんだねキミは。読者の皆さまに楽しんでいただこうという献身的な使命感から綿密な計画の下実施されたプロジェクト、たいへんな労力と緊張を強いる仕事だったのである」
「‥‥‥で、本当はどうなんですか?」
「いや、だから‥‥‥」
「エイプリルフールだし、まぁ何でも許されるだろうとか思って、てきとーにやってひょいっとアップしたんじゃないんですか?」
「にゃ、にゃにを言うんだねキミは。そりゃまーなんだ、技術的にはテキトーに見えるかもしれないが、エイプリルフールだからといってこんな写真を載せてしまっていいものか、悩みに悩んだ末の採用だったのである」
「まぁ確かにつまらないことでよく悩んでますよね」
「つまらないこととか言うな!」
 

「だいたいですね、今年の元旦には、エイプリルフールでも何でもないのにフェイスブックで中庭に羊を飼っている風の写真を掲載してるじゃないですか?」
「あ、覚えてた?」
「あ、覚えてた、じゃないですよ! あの時だって本当に羊を飼ってると信じた人がけっこう居たんですから。そのあと説明もしなかったし」
「いやだって、あれは年賀だし分かってもらえるでしょ。」
「問題はそこじゃないですよ」
「じゃあなんなん?」
「同じ手法を二度使うなんて、手を抜いてますよね(嘲笑)」
「‥‥‥‥‥」
 

「それとですね、何と言ってもうさぎが可愛そうじゃないですか!」
「は? 何でここで突然うさぎ?」
「生徒が手をのばしてパンダに餌を与えているような写真があったじゃないですか、あれって本当はうさぎにあげようとしているんですよね?」
「元の写真はね」
「自分の上に別の動物の写真を重ねられて存在を消されてしまううさぎの気持ちを考えたことがありますか、それって動物虐待じゃないですか!」
「いやいや、そうは言われましても‥‥‥」
「うさぎが可愛そうです、先生謝ってください!」
「え?誰に?」
「うさぎさんに‥‥」
「‥‥‥ごめんなさいうさぎさん」

 

生徒に大切にされるうさぎになりたい人生だった。