長宗我部元親(犬)
「先生、もうすぐウチに新しいワンちゃんが来るんですけどね、名前、何がいいと思います?」
な、なんということを‥‥‥。
な、なんとうらやましいことを‥‥‥。
大の犬好きである司書教諭はずっと共に暮らす日を夢見続けているわけだがまったり無精な自分の性格を知っているのでめちゃ忙しい現状を考えると毎日散歩するのは極めて困難であり彼(彼女?)の幸せを願うあまり手を出せないで今に至っているのである。
それを知っていながら(いや、知るわけないか)、そんな羨ましいことを気軽に口にするとは‥‥‥。
許せんな。
しかも、何と柴犬の赤ちゃんだそうな!
許せんな、やはり。
いやまぁ、単に羨ましいだけなんですけどね。
「名前? ポチでいいよ、ポチ」(投げやり)
「真面目に考えてください、私は『ユキムラ』がいいかと思ってるんですけどね」
「何だ、すでに考えてるんじゃん‥‥‥って、ユキムラ?」
当然、真田幸村から取ったわけだな。
ここにも戦国武将オタクがいたよ。
いや、ばさらおたくと言うべきか。
それにしても犬の名前としてはどうも中途半端じゃないの?
「いっそのこともっとガチに武将っぽい名前にしなさい、『長宗我部元親』にしなさい」
「ちょーそかべもとちか、って変でしょ、どう考えたって!」
「どんな時でもちゃんとフルネームで呼びなさい、『ちょーそかべもとちか、お手!』とか『ちょーそかべもとちか、ハウス!』とか」
「いや、だからイヤだって!」
まぁまぁ。
よし、わかった!
長宗我部元親って名付けたら、図書館犬として採用してやるぞ!
(責任は持てないけど)