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2010年6月25日 (金)

応援しなさい!

おめでとうございます!
サッカーワールドカップで日本がデンマークに勝利し、決勝トーナメントに進出!
もちろん見ましたよ、えぇ見ましたとも、リアルタイムで。
夜中の3時半から、老体にムチ打ち、眼精疲労に目薬打ち……。
いやぁ、でも見てよかったぁ。
つまんない試合だったら今日は自主休校だな、と思っていたが(嘘です、校長!)、実にさわやかに仕事に入れたな。

職員室ではサッカー好きの某教員が「今日はもう帰っていいですかぁー、渋谷で叫んできたいんです」とハイテンションになっていた。
まぁ渋谷は警官も出て大変な状況になっているみたいだし、とりあえず学校のグラウンドの真ん中で叫んできなさい。
広すぎて誰にも迷惑かからんからな。
女子校の真ん中で勝利を叫ぶ―。

ということで、何といっても今日の話題はサッカーだなと思って、図書室の常連に昨日のサッカーどうだった、と訊いてみた。
あれ?

証言1
「夜中に母親に起こされて一緒に見なさいとか言われたけど眠かったので速攻で寝ました」

証言2
「寝ていたら夜中に母親の叫び声で目が覚めてしまったけど無視して寝ました」

証言3
「なんですか、それ?」

……見てないじゃん!
全然見てないじゃん!
見てるのはおかーちゃんだけじゃん!

こんなことでいいのか!
日本の未来はどうなるんだ?
サッカー見てない者は入室禁止にしてやろうか?

生徒曰く、「でも先生、テストも近いんですし、見てられないですよぉ」

何ぃ! テストとワールドカップとどっちが大事なんだ!
テスト勉強など投げ打っても応援するのが正しい日本人の姿であろうが!(嘘です、校長!)

「先生、でもね、遠藤って子供3人もいるんですよ、それで子供のためにがんばっているんですって、……」

へぇ、よく知ってるねぇ……って、そんなの知らんでいいから応援せい!!

2010年6月17日 (木)

接客業は人間性

眠い。
この時期眠いと言えば想像つくだろうが、サッカーの見過ぎである。
さすがに全部をリアルタイムで見ることは難しいが、取りあえず夜中の23時から25時までの試合は毎日見る。
もともと寝るのはかなり遅い方だが、終わってからしばらく興奮してしまっているので始末が悪い。
眠れんなぁ……。

もともとサッカーを見るのは好きで、あまり大きな声では言えないが、日韓ワールドカップの時は「かなり積極的に」応援してしまった。
まだ小さかった息子に前はユニフォーム後は一面日の丸という派手なシャツを着せてあちこち連れ回ったが彼は試合のことなど全く覚えておらず暇つぶしに持って行った安物のドナルドダックのゲームをやっていたことだけ覚えていると言われて最近かなりへこんでしまってはいるのだが。

まぁ、子供なんてそんなものだ(泣)。

さて今日の昼休みは忙しくて(決して眠かったからではない)、来ていた図書委員にカウンター係をやらせていた、いや、やっていただいていた。
だがどうも不穏な空気が漂ってくるぞ。

ウチの制服はリボンの色で中学と高校の区別はつくが、夏服になってリボンをしていないと区別がつかない。
カウンターではまず生徒一人一人のホームルームナンバーで個人の情報を呼び出すのだが、中学か高校かを言わないで借りに来る生徒が多く、中高を間違えて入力してしまうことも多い。

で、その時カウンターにいたのは中学3年生、お客は高校2年生。
高2の客「すいませーん」
中3の係「はい、返すの借りるの?」(無愛想、声は重低音)
高2の客「あ、借ります」(表情こわばる)
中3の係「番号は?」
高2の客「××××番です」
中3の係「○○さん?」
高2の客「いえ、あ、高校です」(さらに表情こわばる)
中3の係「ゲー、高校っすか!」(激しく動揺)
高2の客「はい……」(複雑……)
中3の係「エー、あ、すいません」(謝罪するも無愛想)

見ている分にはなかなか笑えた。
そりゃぁ先輩に向かってその態度はないよなぁ。
その図書委員、「中学生だと思ったよー、どうしよどうしよー」と焦っている。
いやぁあの子はああ見えて実はウチの学校の裏スケ番だぞ、と言っていじめてやった、というのは嘘である。
お客の生徒は、息子の嫁に来てほしいくらい良くできた子なので、まぁ許してくれるだろうけどね。

それにしても君ぃ、間違えたのは仕方ないけど、その無愛想なのはどうにかならんかね。
一応接客業だぞ。
営業スマイルがやはり必要なのだ。
お客が来たら、まずにっこり、それが大切。

「でも先生、それ先生がやったら気持ち悪いです」

そうだろうね、そう言われると思ったよ。
分かっとるわい!!

そういえば去年まで図書室の常連だった卒業生がマクドナルドのバイトをしようと面接を受けたら落ちてしまったという話を先日聞いた。
あれって、落とされるなんてことあるのか?
誰でもできると思っていたんだけど、それは間違いか?
まぁ彼女の場合は必要以上に愛想は良かったので、おそらく人間性で落とされたのだろう(笑)。
接客業も、まずは人間性なのだ。

ということで、図書委員の皆さん、人間性はどうにもならないけれど、とりあえずスマイルを忘れずによろしく!

2010年6月10日 (木)

あれ、ありますか

先日、人の名前どころか本の名前さえ思い出せないといった。
認めたくはないものだな、老化ゆえの衰えというものは。
と思ったけれど、どうも老化だけではないようで、思い出せない病は生徒にも蔓延しておる。

今日も今日とて、カウンターでのこんなやりとりがあった。
「先生、あれあるー?」
「あれとは何じゃ?」
「あれよ、あれ!」
「だから何なんだっちゅーの!」

よくある光景である。
本のタイトルも分からずに借りにくる。
もっとも最初から覚えようとさえしていないのかもしれんが。
それでもまだちょっとしたヒントでも言ってくれる場合はいい方だ。
松たか子が怖い先生の本、とか。
ニワトリが先か卵が先かとかの本、とか。
(実際に最近、生徒が口にしたヒント――本のタイトル分かるだろうか?
特に後者はなかなか難しい)

逆に、こちらからいろいろ訊いても全く要領を得ないこともある。
「なんだそれは、ミステリーか、ファンタジーか?」
「分かんないー、あれよあれー」
「小説なのか? テレビドラマのノベライズか? 映画化されたのか?」
「えーと、えーと」
「そもそも、それは本当に『本』なのか?」
「当り前でしょー! だからあれよ、あれ!」
えーい、あれで分かるかー! 
10年以上連れ添った夫婦だって「あれ」じゃ分からんのだ(体験的実感)!

このようにしてストレスというものは溜まっていくのであった。
生徒の皆さん、本のタイトルは少しでもいいから覚えておくように!

2010年6月 2日 (水)

続々・なんちゃって

相変わらずちょっと更新をさぼっていると怒られてしまう。
「先生ブログ更新しなきゃ駄目じゃないですか!」
「更新してください」とか言われるならまだしも、なぜ怒られなくてはならんのだ?
このぉーーーーーー。
腹立つわ。

とにかく体育大会をはさんでバタバタしておりました。
先が見えない状況が延々と続いているような……。
まぁ、またぐちぐち図書室ですか、などと言われるのでやめておくけど。
去年に比べると仕事量が1.5倍くらいにはなってるぞ。
本を読めないのが辛い……。

そんな辛い司書教諭の傷に、うるさい中学生が塩を塗りこんでくるのであった。
前回「続・なんちゃって」の後日譚。
せっかく「印刷活字のみ有効」と書き込んで、「図書委員以外入室禁止」を生かそうとしたのだが、その手書きの書き込み自体が活字でないので無効ということが判明。
そこまでは書いた。
負けた……。

しかし、それで終わりになどできない。
司書教諭としての矜持が許さないぞ(そんな大したことではございませんが)。

そう、気付いたのだ。
「印刷活字のみ有効」という書き込み自体が無効というならば、「印刷活字のみ有効」とワープロで打って印刷して、それを貼り付ければいいではないか!
ははは、これで勝ったな。

などとヘラヘラしつつパソコンでそれを打ち込もうとして、ふっと、我に帰った。
いったい私は何をしておるのだ?
いかん、つい中学生と同じレベルでやり合ってしまった。
別にいたずら書きされようが、私が駄目と言ったら駄目なんだと、でーんと構えていれば良いではないか。
つまらんことでカッカしていてはいかんのだ、大人げない。
悟ったな。

などということを得意げに高校生たちに語ったところ、相変わらず冷めた彼女たちは言う。
「やっと気づいたんですか、そんなこと」

……気づかせていただきました、やっとのことで。