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2009年4月18日 (土)

本屋大賞

20090417

さて、最初にどんな本を取り上げようかとちょっと悩んだのですが、先日(4月6日)大賞が発表されたばかりというタイムリーな理由により、「本屋大賞」の作品をご紹介。
本屋大賞は全国の書店員さんが選ぶという賞で、これにノミネートされる作品というのは確かにあまり「ハズレ」がなく面白いので、生徒たちにもよく勧めています。

さて、今年度の大賞は湊かなえの『告白』でした。
受賞のニュースを聞いて、いやぁ、なるほどなー、という感じでした。
内容が衝撃的で話題性があり、物語としても読み応えがある『告白』はいい意味でも悪い意味でも他とは違う色を出していたので……。
新人ではありましたが、評価が高かったですねー。

ただ、確かにミステリーとしてはとても面白いのですが、これを中高生の皆さんにお勧めするというのは、ちょっと腰が引けるところもあるんですね。
わが子を亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である2人の少年を自ら裁くというえぐいストーリー。
これはちょっと問題あるのでは、と疑問に思う箇所もチラホラ。
とりあえず、読んでスッキリしたい人、ほのぼの幸福感に浸りたい人にはオススメしません。
かなりダークな部分を含んだミステリーですし、読後感は人によってかなり異なってくるでしょう。
読む人は心の準備体操(?)を念入りにしてからお読みください。

ちなみに今回のノミネート作で個人的に推したい他の作品は、
『ジョーカー・ゲーム』(柳広司)~かっこいいです。スパイ物でアレルギーある人も多いと思うけれど、それでも面白く読めます。
『のぼうの城』(和田竜)~時代小説なのでこれもアレルギーあるかもしれない……。けれどもとても読みやすく、楽しめます。
『ボックス!』(百田尚樹)~高校ボクシング部が舞台なので、これもやはり女子は手を出しにくいかぁ。しかしコテコテの青春小説で読みやすく面白いです。
『新世界より』(貴志祐介)~日本SF大賞を受賞した、長大な物語。でもよく考えられていて、引き込まれます。

うーん、こう見てみると、女子中高生対象を前提とすると何かアレルギー要素を含んだものばかりだなぁ。
それでも読んでみると面白いと思うのだけれど……。
あと、『流星の絆』(東野圭吾)もノミネートされていましたが、これはもう言うまでもないという感じ。
ウチの図書室でもとてもよく借りられていますしね。

とにかく、ノミネート作は全部図書室に置いてあります。ぜひご一読を。
ついでに去年、一昨年、その前……の本屋大賞受賞作、ノミネート作も併せて読んでみましょう!
(図書室に全部あります)