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2010年7月12日 (月)

真の教育者は解放する

『超訳 ニーチェの言葉』という本はよく売れているみたいで、ウチにも置いてある。
「明るいニーチェ」というのがキャッチコピーで、まぁいわゆる金言集みたいなものとしては面白く読めるのだけれど、ニーチェが明るくていいのか、という素朴な疑問は残る。
ニーチェなどというのは、ちょっと背伸びしたくなる年頃に『ツァラトゥストラはかく語りき』なんて代物に手を出して、何が何だか訳がわからんと途方に暮れつつ、頭を抱えつつ、ちょっと大人になったかとほくそ笑むことに意味があるように思うのだけれど。

さて、難しい話はさておき、何で突然ニーチェなんだと訝しく思われるだろうが、実はパラパラめくってみたら「真の教育者は解放する」という文章が目についたから。
真の教育者を目指す司書教諭としては無視できないタイトルじゃ!
ちょっと長いけれど、こんな内容。

 いい学校に行けば、いい教師がいて、いい教育をしてくれるという。それは本当だろうか。
 だいたいにして、何を教えてほしいと期待しているのだろうか。どういうふうに教育してもらいたいというのだろうか。
 教師や学校によって、教える事柄が変わるのだろうか。
 しかし真の教育者とは、銘柄とか実績によるのではなくて、あなたの能力をフルに発揮させてくれる人ではないだろうか。つまり、真の教育者とは、あなたの解放者であるはずだ。
 ならば、あなたがいきいきと自由に、活発に、能力を充分に発揮できるようにさせてくれる人こそがあなたの本当の教育者であり、そこがあなたの学校だということだ。
                               『ショウペンハウアー』

名著『ショウペンハウアー』の一節。
おー、これはもしやこの図書室にうじゃうじゃ増殖する生徒の姿ではないか?
完全に解放されているぞ。
言いたい放題、踊りたい放題、やりたい放題ではないか!
ということは、ここに居るのが「真の教育者」ではないか!

「君たちは自由にやっとるよな、解放されているよな」と生徒に念を押す。
生徒は笑いながらぼそっと言う。
「まぁ、自由の履き違えってやつですね、ははは」

はははははは…………おっしゃる通り!
なんか、無性に腹立ってきたなぁー。