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2011年10月 4日 (火)

絵で選んでいいんです

もともと図書の紹介をするはずのブログだったんじゃないですか、全然そんな話出ないじゃないですか、手抜いてるんじゃないんですか?
どうも最近そういう苦情、あるいは「いじり」をしてくる生徒(と先生)が後を絶たない。
そうです、手を抜いているんですと白状してしまいたいのだがそうもいかないので、ちょっと本の話題を(といってもたいして変わらない気もするが)。

先日中学生が何やらうるさくしてるなぁと思ったら、ライトノベルズの表紙イラストの話で盛り上がっておった。
少年陰陽師の絵はいいねーとか、いやいやハルヒでしょーとか。
ちゃんとイラストレーターの名前を知っている者もいて、黒星紅星はどうのこうの、岸田メルはどうのこうの、とか。
まぁライトノベルズはイラスト込みで何ぼのものっていうのは何となく分かるけどね。
それでも驚くのはこんな会話。

「『黄昏色の詠使い』のイラストも竹岡美穂だよー、読んでみー!」
「あ、読む読む、絶対読む!」

へ?
イラストの好みで読む小説を選ぶのか?
話が逆じゃないのか、それはアリなのか?

「そんなのあたりまえです、先生!」
「本はイラストで選ぶに決まっているじゃないですか!」

そ、そうなんですか?
決まってたんですかぁ?
生徒は胸を張ってきっぱりと断言するのだが、イラストがいいから本を読むという関連性はやはり解釈困難である。

しかしそんな司書教諭に高3生はつっこみを入れる。
「でもそーいう先生だって中村佑介が好きで画集まで買ってるじゃないですか」
「‥‥‥‥‥‥」
おっしゃるとおりでした。
考えてみると、私もけっこう表紙で面白そうだとか思っちゃったりしていました。

最近の流行りのイラストレーターというと、カスヤナガトと中村佑介の両氏でしょうか。
カスヤナガトの本をちょっとピックアップするとこんな感じ。

20111004_01 

あー、あの絵かぁ、と思う方々も多いでしょうね。
一番のヒットと言えば『神様のカルテ』なんでしょうけど、1巻も2巻もずっと貸出中なんで写真は撮れんなー。
『植物図鑑』があったのも、タイミングよかったという感じじゃ。

で、先ほど話に出た中村佑介はこんな感じ。 

20111004_02 

これもまたご存じの方が多いのかと。
こちらも最近の大ヒット作『謎解きはディナーのあとで』が貸出中で予約も何人も入っている状態につき、写真は撮れず。
まぁそれでも皆さん、想像はつくでせう。

それにしても、お気づきかもしれませんが、二人の作風は良く似てますな。
巷でも「区別がつかない」とか「同じ人が描いていると思った」とか言われているけど。
確かに似ているのだけれど、個人的に中村佑介がお気に入りなので、画集も購入したし、新作の表紙が彼のイラストだと、うーん、読んじゃいますねー。
おっと、断わっておくけれど、画集を購入したのは売れ筋で評判も高い画集であるからであり、個人的な趣味とは関係ありませんから!お間違えなきよう。
ということで、何はともあれ中学生のことをとやかく言うことはできないことに気づくのであった。
ちなみに中村佑介の画集はこちら。  

20111004_03 

イラストだけの話ではなくて、本の装丁というのはとても芸術性が高く、奥が深い。
視覚はもちろんのこと、手触りや匂いに至るまで、六感に訴えかけてくる力の何と強いことか!

ということで生徒諸君、絵を見て本を選ぶこと、許可します!
(そんなの許可が必要なことじゃないでしょ!と怒鳴られそうだけど)
ちなみに今回紹介した、両氏のイラストを表紙にした何冊かの本ですが、中身も面白いのでご一読あれ!