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2012年10月30日 (火)

一応、読書週間

読書週間に突入したこともあり、司書教諭としてはやはり本の話をすべきでしょうね。
図書館のブログなのに、本の話なんていつしたか記憶にない、というのはどう考えてもマズイわけで。
ま、何を今さら、という感は免れませんけど。

今学校で一番読まれているのは何かというと、『カゲロウデイズ』の1巻、2巻。
まぁ大人世代には「?」という感じだろうけど、これが配架してからずっと予約入っているし問い合わせも多数。
生徒からリクエストがあって買ったのだけれど、それにしても何でこんなに人気があるのか分からん。
ということで、生徒に訊く。

「何これ、アニメ化でもされたの?」
「いや、動画ですよ、もともとはボーカロイドの曲です」
「ボーカロイド? 何、漫画じゃなくて音楽なの?」
「その、自然の敵Pって人が作曲して、自分で小説にしたんですよ」

あー、そういうパターンか
何か難しくなってきたなー。
だいたいその自然の敵Pの「ぴー」って何だよ?

生徒A 「なんか作曲する人って皆後ろに『ぴー』つけてるんですよねー」
生徒B 「『家の裏でマンボウが死んでるP』なんて人もいますよ」
司書教諭 「『いえのうらでまんぼうがしんでるぴー』? 何だ、それ?」
生徒A 「とにかく『ぴー』なんですよ、ぴー」
生徒C 「あの‥‥‥プロデューサーのPじゃないんですかー?」

あら、そうなの。
ボーカロイドって作曲家じゃなくてプロデューサーって感覚なのか。
そういえば『悪ノ娘』の著者も『悪ノP』とか言ってたぞ。
ということでちょっと調べてみたら、やはり基本的にはプロデューサーのことらしい。

まぁボーカロイドもニコニコ動画でちょっとは見たり聞いたりはしていたけれど、最近はまったく見てない。
何かメディアミックスも進んで、何だかやたらと複雑になってきたな。
年寄りにはついていけんわぁ。
この本も生徒に言われた時はただのライトノベルかと思ったんだけど。
ライトノベルもそうなんだけど、生徒の方がよっぽど詳しいから、どうも立場が逆になってきた気がする。
もっとも生徒の意見だけ聞いてるとその手の本だけ買うことになってしまうわけで、そりゃさすがにマズイんですけど。
先日、最近アニメ化された小説は何かという話をちょっとしたら、次の日には生徒の一人がここ2~3年くらいの作品を画像入りの一覧にまとめてプリントアウトして持ってきた。
全部買え、っていうことかしらん。
そいつだけは、ごかんべんを‥‥‥。

あー、いかん、結局ゆるーい本の話しか書けんかった。
とりあえずボーカロイドつながりで、ちゃんとした本(というと語弊があるかもしれんが)も一冊くらい紹介しておこう。
阿部和重『クエーサーと13番目の柱』はいかがだろうか?
主人公は某アイドルグループに対し、パパラッチ行為をして雇い主に報告するモニタリングチームの一員。
で、このアイドルグループ「エクストラ・ディメンションズ」というのが色物系で、生身の人間は一人だけ、他はロボットとボーカロイド・キャラクターというすごいメンバー設定。
もっとも初音ミクがホログラムでコンサートする時代だから、決してすごいってことでもないんですかね。
情報化社会の闇を見る上でもなかなか興味深い内容でありました。
ちなみに阿部和重は2005年に芥川賞を受賞した作家。
いろいろなタイプの作品書いているんで、興味のある方はどうぞ。

よし、最後の最後にちょっとだけ司書教諭らしい仕事したな。
(‥‥‥これだけかい!とか突っ込まないように)