突然ですが読者の皆さんに質問です。
「重い物体と軽い物体を同じ高さから落下させたとき、速く落ちるのはどちらでしょうか?」
先日高校1年生の物理基礎の授業で、重力加速度を測定する実験を行いました。
加速度とは「単位時間(1秒など)あたりの速度の変化量」を表します。カンタンに説明すると、加速度10メートル毎秒毎秒で運動する物体は、1秒ごとに10メートル毎秒ずつ速くなっていくということです。
そして、物体に加速度を与えるためには力を及ぼし続ける必要があります。つまり、物体を落下させたとき、重力を受けている物体は地球の中心に向かって加速していくことになります。
その加速度のことを重力加速度gといい、今回の実験はgを実験から導くことを目的としています。
前置きが長くなりましたが、実験は至って地m...簡単です!使うのは中学理科でお馴染みの記録タイマーです。テープを貼り付けたおもりを落下させ、そのときの運動の様子を、タイマーによって記録したテープから読み取るのです。
落下させるのは1kgのおもりと約200gのボールです。さてさて結果はどうなるか...
おや...?結果が変わらない?ということは物体が落下するときの運動は、質量によらないのか...?
気になる人は以下の動画をご覧ください
関節や筋肉の痛みがあるときにお世話になるのが湿布ですよね。
今回の実験では、湿布薬に含まれている物質の合成に挑戦しました。
サリチル酸メチルといい、サリチル酸のエステル化によって合成します。
まずは、はかりとったサリチル酸を試験管に入れます。
続いて、メタノールと濃硫酸を加えて加熱します。
そして、加熱後の反応物を炭酸水素ナトリウム水溶液中に流すと・・・。
サリチル酸メチルの油状物質のできあがりです。
生成物のにおいも、湿布の特有のあのにおいが確認できました。
授業では風邪薬などに含まれるアセチルサリチル酸の合成方法も学習しました。
身の回りにある物質も、化学(科学)の力を利用してつくられています。
ぜひいろいろなものに目を向けて、今後の学習に役立てるようにしてください。
高校3年生の化学演習の授業で、カフェインの分離に挑戦しました。
今回は緑茶、紅茶、コーヒーを用いました。(写真は、緑茶と紅茶を煮出しているところ)
ろ過をし、塩化ナトリウムとクロロホルムを加え、カフェインを有機層に移します。
下層のクロロホルムにカフェインが溶け出しているので、下層のみを試験管に移します。
アスピレーターで吸引し、クロロホルムを気化させます。
試験管の底に見えるのが、粗製のカフェインです。
試験管に付着している針状の結晶がカフェインです。
実は何度か失敗している実験ですが、生徒たちが装置や操作の工夫をし、成功させることができました。
試行錯誤し、実験を成功させたことが、進学後も役に立つと思います。
将来皆さんが活躍することを願っています。がんばれ!
無機化学分野のまとめとして、金属イオンの分離をしました。
上の写真は左から順に硝酸銀、硝酸鉄(Ⅲ)、硝酸銅(Ⅱ)の水溶液です。
これらを混合し、銀イオン、鉄(Ⅲ)イオン、銅(Ⅱ)イオンの3種類の金属イオンを分離する仕組みを学びます。
試験管に入れた混合溶液に塩酸を加えると、白色の沈殿物が生成します。
これをろ過によって分離します。
さらに、先ほどのろ液にアンモニア水を加え、生じた沈殿物を分離します。
ろ過によって分離した物質・イオンは次の通りです。
中央の白色固体は塩化銀。
中央の赤褐色の固体は水酸化鉄(Ⅲ)。
2回目のろ液。テトラアンミン銅(Ⅱ)イオンを含む深青色溶液。
無機化学分野は覚えることが多いです。
一つ一つ整理して、定期考査に臨んでください。