2010年9月11日 (土)

シュールですね

それにしても中学生は元気が有り余っているな。
昼休み、こちらが仕事に忙しくしていると、いつの間にか図書事務室の中に生徒が増殖していくではないか。
しかも中には鬼ごっこをし始めるタワケモノまで出る始末。
がるるるるるるるるるぅ!
怒髪天を衝くぞ!

などと、またいつもの調子で愚痴をこぼし始めたのだけれど、ちょっと待った。
思い起こすに、毎度毎度生徒の悪態ばかりを書いているような気がするなぁ。
これはまずいのではないか?

だいたい学校の広報で始めたブログなのに、生徒の悪態ばかり書いていていいのだろうか……と、今になって根本的な疑問に突き当たる。
いやいや、生徒のナマの姿が出ていていいんじゃない、と私の某上司も言っているし。
ま、いっかぁ。
(もっとも「ナマの姿」が悪態ばかりというのはシャレにならんが……)

しかしここは一つ、日本全国のまったり図書室愛読者諸君に言っておかねばなるまい(大誇張アリ)。
私は話をおもしろおかしくするために、敢えて生徒の悪態だけを取り上げてしまいがちではあるが、本来の生徒たちは優しく愛らしく、また理知的な面も併せ持っているのである。
(ホントか、ホントなのか、と頭を抱えて数分間自問する司書教諭アリ)

え~、まぁそういうこともあって、というわけでもないのですが、今日はちょっと褒め言葉などつづってみようかと。
実は夏休み直前に、学校の読書推進委員会の要望もあって、読書の勧めに関するポスターを図書委員に描いてもらうことが突然決まった。
ただでさえ宿題でヒーコラ言っている時に申し訳ないようにも思ったのだけれど、まぁ夏休みは長いしどうにかなるかなと……。

で夏休み明け、提出してもらいました。
どうもどうも御苦労さまでした。
すると、まぁいろんな作品があって、まぁ中には確かにちょっと手を抜いたかというのもあったり、がんばったなぁと感心するような絵もあったりした。
そして、おーっと眼を見張るようなシュールな作品もあって、ちょっと感動しちまいました。
せっかくだからここで紹介しちゃおうかな、と思うわけです。

20100911a

シュールだ。
車内読書する乗客の皆さんの頭がすべて本。
なんかそれぞれの表情が見える……ような気がしてくる。
この発想に拍手。

20100911b

これもまたいいでしょー。
わかりにくいかもしれないけれど、コラージュです。
本の世界に入り込みたくなる(?)気がしてくる。
独特の世界観に拍手。

とまぁ、あまりいっぱい紹介はできないのだけれど、特にちょっと気になった2作をアップしてみました。
他にもいろいろいい作品はあったけれど、全部は無理なので、失礼!
許してね。

生徒の個性の発現にちょっと感動してしまったというお話。
今後もたまには生徒自慢をさせてくれぃー!

2010年9月 4日 (土)

直木賞作家、実は卒業生!

夏休み直前の7月15日、第143回の直木賞が決定。
以前ここでも取り上げた「天地明察」などの候補作品が6作挙がっていたのだけれど、見事受賞したのは中島京子さんの「小さいおうち」でした。
これはまぁ、ご存じの方も多いと思うのだけれど。
で、実はこの中島京子さん、我が共立女子第二高等学校の卒業生なんです
すごいぞ、中島さん!
やったぞ、中島さん!
ひゃぁ~、中島さん!

ちょっと公表に慎重になっていたのだけれど、教頭から「まぁいいのでは」ということでOKも出ましたので、大々的に……というわけではないけれど、とりあえずここにお伝えします。
公式HPにもトップページに載せたいですねぇ。
中島京子さん、おめでとうございます!(ちょっと遅くなっちゃいましたけど……)

20100904

ちなみに中島さんは本校の10回生でした。
文芸部にも所属していたそうです。
文芸部にその頃の機関誌が残っていたら、すごく価値のあるものになったでしょうけどね。
まぁ、たぶんもうないだろうなぁ。
私はまだその頃は勤務していなかったのだけれど、教頭に聞くと「覚えてるよー」と言っておりました。
もうだいぶ昔なんだけど、さすが教頭!
いやぁ、すごいな教頭は!
よ! にっぽんいち!……。

いかん、あんまりふざけると叱られるので止めておこう。
教頭もそうだけれど、学校に勤務する者としては本当~に嬉しいですね。
誇りに思います。
もちろん、在校生の皆さんもそうだと思うけれど。

というわけで、受賞作「小さいおうち」をぜひ一度読んで欲しいですね。
内容的には、昭和初期から戦時中、戦後の激動の時代を背景に、ある一家の忘れがたい秘めた恋の物語を、主人公である女中の目を通して描かれるもの。
在校生の皆さんにも読みやすいと思うので、ぜひご一読を。

中島さんはこれまでにもたくさん作品を出していて、図書室にもかなりたくさんあるので、それらの作品も併せて読んでみておくれ。
そして先輩に続け!という生徒諸君が現れることを期待する司書教諭であった。

2010年9月 1日 (水)

あぁ、始まってしまった

もしかしたらやってこないのではないかと密かに期待していた9月1日が、やっぱり来てしまった。
ほんとに来るもんなんだなー。
もっとも夏休み中もずっと事務仕事は続いていたわけで、2学期が始まったということにあまり感慨はないのだけれど。
しかし生徒がどっさりやってくれば、慌ただしさが全然違うからな。
初日から早速、図書室もうるさい。

夏休み明けで久々に友達に会ったせいか、まぁ皆さん元気だこと。
普段お世話になっている司書教諭に、旅行のお土産を持ってくる、よく出来た生徒もいる。
そんなぁ、気をつかわんでもいいのにぃぃぃ。
そうかそうか、クッキーか。
そうかそうか、チョコレートか。
そうかそうか、人形か……(人形?)。

いえいえ、お土産を強制など、一切していませんよ。
そんな厚かましい人間ではありませんほほほほほ。
まぁお土産の効用については、以前熱弁を揮わせていただいたこともあったけど。

しかし京都大阪、そして甲子園まで行って遊んできた常連Aは、先生の分お土産忘れた、とか平然と言ってるぞ。
ほほぉ。
ほらほら、これはクッキーだそうだ、これはチョコレートだそうだ、などと、その常連Aの目の前でもらったお土産をひとつひとつ説明してあげる、親切心で。
いえいえ、意地悪で(あてつけで)やっているわけではございません。
他意はございません。
もっともその常連Aはずっと嫌そうーな顔をしていたけれど。

一緒にいた常連Bが空気を察したのか、「先生、修学旅行行ったらお土産買ってきますねー」
司書教諭「いやぁ、君たちのそういう気持ちだけで十分だよ(強調)!」
常連B  「食べるものの方がいいですかねー」
司書教諭「ま、そうだねぇ」
常連A  「……やっぱ欲しいんじゃん!」

え~、しょっぱなから相変わらずゆるい内容で申し訳ございません。
もう少し実のある内容にしたいとは思っております(が、自信はなし)。
二学期もどうぞよろしく。

2010年8月 9日 (月)

たぶん、夏休み

仕事が終わろうと終わるまいと、明日からは全校休校日。
学校は閉鎖されます。
ということで、溜まったものは溜まったままにして、すべて忘れてお休みである。
まぁ、後はどうにかなることを信じて、大量の本を放ったままにして帰宅してしまったぞ。
ははははは(……とりあえず笑ってごまかしちまおう!)。

公式サイトも新制服やら新校舎やら、いろいろ更新しなくてはいけない情報が山積していたのだけれど、時間がなくてできなかった。
しかし、いくら何でもお盆前にはやらなきゃいかんな、と一念発起し、本日やっとのことで更新!
がんばって突貫工事で特集コーナー作ったどー。
新制服モデル撮影の写真も掲載したので、ご覧あれ。
しかしそんなことをしていたら、納品された大量の本も放ったらかしになるわな。
まぁ、本は逃げることはないだろう、たぶん。

さて、前回私が「ミーハー」であるという話を記したが、その後今度はまた違う生徒に「何で伊坂幸太郎が好きだとミーハーになるんですかぁ!」と怒られてしまった。
失礼しました。
確かに「ミーハー」という言葉の響きは多少なりとも軽蔑の意を込めて使われることが多いわけですし。
伊坂幸太郎ファンには怒られるだろうな、確かに。
(東野圭吾ファンにも)

ちなみに「ミーハー」っていうのは、もともとは「みいちゃん、はあちゃん」のこと。
昔は女の子の名前で「み」や「は」で始まるものが多く(美代子とか花子とか)、女の子の一般的名前を代表している。
で、「みいちゃん、はあちゃん」は、流行に熱中しやすい女の子や、程度の低いことに夢中になっている女の子を軽蔑して呼ぶ時に使ったもの。
今は女性だけでなく、男性にも使うけどね、私みたいに……。

まぁこの前書いたのは、それほど明確な意味合いを持って使ったわけじゃないので、許してね。
別に流行するものが悪いというわけでもないし、好きなモノ(本でも何でも)があるということは、それが無いことよりはるかに幸せなのだし。
世の中のミーハー諸君、君たちは幸せものだ!

さて、まったり図書室もしばらくは夏休みですね。
……とは言え、来週半ばにはもう仕事入っているんだな、ため息をつこう……。
そうそう、伊坂幸太郎の新作「バイバイ、ブラックバード」も、東野圭吾の新作「プラチナデータ」もすでに配架しとります。
ファンの方はお楽しみに。

ではでは。

2010年7月31日 (土)

ミーハー万歳!

さすがに7月も終わりとなると、学校も生徒が少なくなる。
活動さかんなクラブは相変わらずがんばっとるし、白亜祭の準備に勤しむ生徒たちも感心感心。
とはいえ、やはり静かな校内。
おかげで仕事ははかどるな。

そんな中、久しぶりに会った生徒に「読みましたよー」とか声をかけられ、「村上春樹好きなんですねぇー」と言われてしまった。
おっと、分かってくれましたね。
分かってくれる人がいてよかった、よかった。
前回の記事は、まぁ知っている人なら、村上春樹好きなんだなとすぐ分かるだろうと思って書いたわけで、分かってくれてちょっと嬉しかったりする。
言っておくけど、あれは物真似ではない、オマージュである(?)。
何のことか分からない人は村上作品を読んでおくれ。
(ただし『羊をめぐる冒険』以降)

さて、それはいいとして、ついでにこうも言われてしまった。
「先生って、けっこうミーハーですよねぇ」

ガーン。
ちょっとショックだ。
確かに村上春樹はめちゃくちゃメジャーになっちゃったけれど、それだけでそんな……。
いや、実はそれだけで彼女は言っているわけではないのだな。
私がけっこうメジャーなものが好きなのを知っておるのだ。
自分としては、好きな人(モノ)がメジャーになっただけ、という意識なのだけれど。
って、これはミーハーな人がよく言う言い訳か。

そういえば、ちょっと前にNHKでショパンの特集番組をほぼ1日中放映していて、そこで好きなショパンの曲ベスト10の投票をしていたのだけれど、ベスト3に入った曲が、私が選んだ3曲と全く同じであった。
オクサンに、やっぱりミーハーだね、と言われてしまった。
(ちなみにオクサンのベスト3は一曲も入っていなかった)

でもね、ショパンってもう生誕200年なんでしょ?
流行も何もないんじゃないの?
ミーハーとか言われるの、心外じゃ!
と抗ってみたものの、まぁやっぱり好みが一般的であることは否めないな。

ところで先の生徒に話は戻って。
うかつに「ミーハーである」ことを認めてはいけないと思い、ここでも抗ってみる。
「君ぃ、村上春樹だけでミーハーとか言われたくはないわい」
「えー、じゃぁ他にどんな作家が好きなんですか?」
「いやぁ、その、伊坂幸太郎とか、東野圭吾とか……」
「……ミーハー、ですよね」
「……認めます」

いいものは、いいのだ!!
 

※注 他にも好きな作家はたくさんいるので、固定観念を持たぬようお願いします!

2010年7月27日 (火)

パンダ来い!

本の納品は終わることなく、司書教諭の仕事は延々と続く。
学校広告は途切れることなく、広報の仕事は延々と続く。
新校舎の工事は滞りなく進み、新図書室がらみの仕事は延々と続く。
ということで、夏休みはなかなかやってこない、ような気がする。
やれやれ。

昨日は広告の制作業者から電話で原稿の催促をされていたところ、突然中学1年生が「せんせー、今日もヒマぁー?」などと大声で叫びながら図書事務室へ入ってきた。
こいつらぁー……(怒)。
ちょうど催促する業者の営業氏に「いやぁ、ちょっと忙しくて……」などと言い訳をしておったのに、君たち見事なタイミングで怒鳴りこんできましたねぇ(怒怒怒)。
絶対聞こえていただろうな、間違いないな……(涙)。

ひぃひぃ言いながら仕事してるのが目に入らんか!!
だいたい君らがグチグチいろいろ話してくるから、仕事あるのに話を聞いてやっとるんだろう。
ヒマだからムダ話しているわけではない!
まぁ中1じゃあ仕方ないか、と半ば諦めつつ「ごるらぁー、ノックくらいせい!」と叱ってみるが、効き目なさそうだな。
やれやれ。

ところで今日新聞を読んでいたら、どうも気になる表現があって、一日中すっきりしなかった。
上野動物園に、中国からパンダがやってくることが決定したそうで、まぁそれは良かったのだろうが、この女の子の方のパンダをこんな風に表現していた。

「(女の子は)丸顔のパンダで……」

丸顔のパンダ?
丸顔でないパンダなどいるのか?
四角顔とか三角顔のパンダなど、どう考えても……というか、考えたくないな。
これって、鼻が長い象とか、首の長いキリンなどというのと同じじゃないか?

わざわざ女の子の方を「丸顔の」というからには、もしかしたら男の子の方は違うのかと思い写真を見てみたが、男の子も丸顔だよなぁ。

ちなみに女の子は、中国でも容姿が良いと評判らしい。
まぁ表現が“アリ”かどうかはともかく、容姿の良いパンダに期待しましょう。
新図書室には女の子パンダのぬいぐるみでも置きたいですねぇ。
パンダ、来~い。

2010年7月20日 (火)

反省なしか!

学校は夏休みに突入。
しかしサマーゼミもスタート。
ということで、学校に行ってもほとんど普通の日と変わらない。
今日も図書室では貸し出し対応をしたわけだが、むしろ普段より貸し出し数が多いくらい。
夏休みとは言えんなー、これは。

ところで、相変わらず仕事でバタバタしており、今日も来ていた図書委員に窓口対応をしてもらっていたが、またまた彼女はやってしまっていたな……。
カウンターには「あの」中学3年生。
お客は高2の常連さん。

中3の係「何番ですかー」(相変わらず無愛想)
高2の客「××××番です」
中3の係「はい(カチカチカチカチ)………、えー、何何?」(パソコンを見て激しく動揺)
高2の客「は?」
中3の係「どうしよどうしよ」(パソコンに表示された漢字の名前を読めずパニック状態)
高2の客「え、は?」(不安)
中3の係「あーあー、それに延滞してる延滞してるぅ!」(大騒ぎ)

コイツ、全く反省しとらんな。
先日高2のお客を中2と間違えるという粗相をして、しっかり叱って(いじめて?)やったのだが、何も変わっとらんじゃないか。
相手は先輩だぞ、ちゃんとお話しなさい!
確かに名前を確認するようにと言っているが、漢字読めなかったら「お名前は……?」とか尋ねればいいじゃん。
しかも貸出期限をちょっとオーバーした本が1冊あってくらいで大騒ぎしなくてもいいでしょ、目の前に本人もいるのに……。

やはり営業スマイルをしっかり教育する必要があるな。
とはいえ考えてみると、何で私がそんなことしなきゃいかんのか?
中学の礼法の授業に、正しい挨拶の仕方を覚えるはずだが、その学習項目の一つに「営業スマイル」も加えてもらいたいものだ。
(などと言ったら礼法の先生に叱られるだろうな)

おいおい、それに気付いてみたら、裏表紙の見返しに貼った用紙にハンコで押す、返却の期限日の日付が間違っているではないか!
特別に現在はすべて夏休み明けの9月2日が期限なのだが、日付が6月2日になってる……。
誰だぁ、誰がずらしたぁ!
「触ってませんよー」
「私もハンコは知りませんよー」

あ、……私でした!

ps:
本日早い時間帯に借りた方、期限日付が6月2日になっておりますが、9月2日の間違いでございます。
どうにか6月に戻って返せ、とは申しませんので、安心してお返しください。
失礼しました!

2010年7月12日 (月)

真の教育者は解放する

『超訳 ニーチェの言葉』という本はよく売れているみたいで、ウチにも置いてある。
「明るいニーチェ」というのがキャッチコピーで、まぁいわゆる金言集みたいなものとしては面白く読めるのだけれど、ニーチェが明るくていいのか、という素朴な疑問は残る。
ニーチェなどというのは、ちょっと背伸びしたくなる年頃に『ツァラトゥストラはかく語りき』なんて代物に手を出して、何が何だか訳がわからんと途方に暮れつつ、頭を抱えつつ、ちょっと大人になったかとほくそ笑むことに意味があるように思うのだけれど。

さて、難しい話はさておき、何で突然ニーチェなんだと訝しく思われるだろうが、実はパラパラめくってみたら「真の教育者は解放する」という文章が目についたから。
真の教育者を目指す司書教諭としては無視できないタイトルじゃ!
ちょっと長いけれど、こんな内容。

 いい学校に行けば、いい教師がいて、いい教育をしてくれるという。それは本当だろうか。
 だいたいにして、何を教えてほしいと期待しているのだろうか。どういうふうに教育してもらいたいというのだろうか。
 教師や学校によって、教える事柄が変わるのだろうか。
 しかし真の教育者とは、銘柄とか実績によるのではなくて、あなたの能力をフルに発揮させてくれる人ではないだろうか。つまり、真の教育者とは、あなたの解放者であるはずだ。
 ならば、あなたがいきいきと自由に、活発に、能力を充分に発揮できるようにさせてくれる人こそがあなたの本当の教育者であり、そこがあなたの学校だということだ。
                               『ショウペンハウアー』

名著『ショウペンハウアー』の一節。
おー、これはもしやこの図書室にうじゃうじゃ増殖する生徒の姿ではないか?
完全に解放されているぞ。
言いたい放題、踊りたい放題、やりたい放題ではないか!
ということは、ここに居るのが「真の教育者」ではないか!

「君たちは自由にやっとるよな、解放されているよな」と生徒に念を押す。
生徒は笑いながらぼそっと言う。
「まぁ、自由の履き違えってやつですね、ははは」

はははははは…………おっしゃる通り!
なんか、無性に腹立ってきたなぁー。

2010年7月 5日 (月)

納豆を認めよ

今日から定期考査である。
それなのに更新をまたチェックされお叱りを受けてしまった(生徒に)。
ブログチェックする暇があるなら勉強しなさい、と言いたい。

さて、ご無沙汰しておりました。
ワールドカップにおける日本の敗退により、ショックの余り熱を出してずっと寝こんでおりました。
食事も喉を通らず夜は眠れず、絶望の縁で喘いでおりました。

というのは嘘で、ただ単に相変わらずの慌ただしさに喘いでいただけ。
日本代表については本当に惜しかったのだけれど、これ以上望んだらバチが当たるだろうな、とも思うので、もう十分満足である。
よく頑張ってくれた(感涙)。

さて早いもので、定期考査。
ということで、先週はずっと図書室もテスト勉強する生徒でいっぱいであった。
しかし一部では勉強すると言いながら司書教諭とつまらん話をして時間を無駄遣いする者もいる。
親とケンカ中であると言ってヒートアップし、延々愚痴をこぼされるこっちの身にもなってくれぃ。
「先生、親の言うこと理解できません! どう思います?」
知るか! 何とかゲンカは犬も喰わないというであろうが(あれは親子ではなかったか……)!
と、突き離したいところだが、聖職者たるもの、そうもいくまい。

いいか、君も言いたいことがあるのだろうが、親には親の立場というものがあるのだ。
しかし相容れぬ両者が、そうそうお互いを理解することなどできない、諦めろ。
理解しなくてもいいから親の立場を認めろ、相手を認めなければ自分も認められないのだ。

などと、すでに聖職者というより一人の悩める親のような(その通りなのだが)説得を試みる。
うさんくさそうな顔をする生徒にさらに追い打ちをかける。

「私は納豆が大嫌いだ」
「は?」
「本当なのだ。小さい頃口に入れた瞬間、○○してしまった(自主規制)」
「はぁ……」
「私はあれを見るだけでも鳥肌モノなのだが、息子は大好きなので毎日食卓に出てくるのだ。家中ぷ~んと匂いが漂ってくる。たまったもんではない。しかし納豆が栄養豊富であることは知っている。だから私自身は納豆のあの匂いやらネバネバやらは到底理解できないが、その存在意義は認めるところであり、文句も言わず大人の付き合いをしている」
「…………」
「当然分かっていると思うが、私に対する納豆というのは、君に対する親のメタファーである。まずは認めるところから始めたまえ」

言うだけ言ってしまってこちらは満足したが、生徒は満足……していないようである。
「先生、それでいいんでしょうか?」
「うん?」
「先生は確かに納豆を認めたかもしれません、でも先生は認められたわけではありませんよね」
「ま、まぁ」
「私は、納豆は先生を認めていないんじゃないかと思いますよ。存在意義が見られませんからね」

撃沈である。
納豆に……負けた。
私の存在意義はいずこに……。

2010年6月25日 (金)

応援しなさい!

おめでとうございます!
サッカーワールドカップで日本がデンマークに勝利し、決勝トーナメントに進出!
もちろん見ましたよ、えぇ見ましたとも、リアルタイムで。
夜中の3時半から、老体にムチ打ち、眼精疲労に目薬打ち……。
いやぁ、でも見てよかったぁ。
つまんない試合だったら今日は自主休校だな、と思っていたが(嘘です、校長!)、実にさわやかに仕事に入れたな。

職員室ではサッカー好きの某教員が「今日はもう帰っていいですかぁー、渋谷で叫んできたいんです」とハイテンションになっていた。
まぁ渋谷は警官も出て大変な状況になっているみたいだし、とりあえず学校のグラウンドの真ん中で叫んできなさい。
広すぎて誰にも迷惑かからんからな。
女子校の真ん中で勝利を叫ぶ―。

ということで、何といっても今日の話題はサッカーだなと思って、図書室の常連に昨日のサッカーどうだった、と訊いてみた。
あれ?

証言1
「夜中に母親に起こされて一緒に見なさいとか言われたけど眠かったので速攻で寝ました」

証言2
「寝ていたら夜中に母親の叫び声で目が覚めてしまったけど無視して寝ました」

証言3
「なんですか、それ?」

……見てないじゃん!
全然見てないじゃん!
見てるのはおかーちゃんだけじゃん!

こんなことでいいのか!
日本の未来はどうなるんだ?
サッカー見てない者は入室禁止にしてやろうか?

生徒曰く、「でも先生、テストも近いんですし、見てられないですよぉ」

何ぃ! テストとワールドカップとどっちが大事なんだ!
テスト勉強など投げ打っても応援するのが正しい日本人の姿であろうが!(嘘です、校長!)

「先生、でもね、遠藤って子供3人もいるんですよ、それで子供のためにがんばっているんですって、……」

へぇ、よく知ってるねぇ……って、そんなの知らんでいいから応援せい!!